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GE製造業回帰、ものづくりを得意とする日本に朗報?

2015/4/21(火) 7:00配信

THE PAGE

 米国の製造業大手ゼネラル・エレクトリック(GE)社が、金融事業の大半を売却し、製造業に回帰すると発表しました。ものづくりを得意とする日本にとって朗報なのでしょうか。

もうかっているのに家電部門売却、今さらながらGEってどんな企業?

 GEは4月10日、同社の金融部門が保有する約265億ドル(約3兆1800億円)の不動産を米投資会社などに売却すると発表しました。同社はかねてから金融事業の大幅な縮小を進めており、2016年までに利益に占める本業の割合を2013年の55%から75%まで高める方針です。今回の発表に合わせて2018年までに本業の割合を90%まで高めるあらたな目標を設定しました。同社の本業は非常に順調ですから、新しい目標の達成も容易と考えられます。

 同社は世界屈指のメーカーですが、金融部門も抱えており、大手銀行に匹敵する金融資産を保有していました。製造業は、自社の設備投資に多額の資金を必要とするため金融との関係が密接です。GEの場合、作っているものが発電所のタービンやジェットエンジン、CTスキャンといった超高額商品ですので、顧客の資金負担も相当なものになります。場合によっては顧客の資金繰りを支援しないと製品を買ってもらえないというケースも出てくるわけです。金融業は、製造業を支援するために発達してきたという側面がありますから、同社が銀行に匹敵する金融部門を持っていること自体は、驚くにあたりません。トヨタをはじめとする自動車メーカーの多くが、顧客に自動車ローンを提供するための金融サービス事業を持っています。

 しかしGEの場合、金融部門が消費者金融まで手がけるようになり、肥大化が進んでいました。このためリーマンショックの際には、逆に金融部門が全体の足を引っ張り、同社の利益を引き下げていたのです。

 現在、米国経済が非常に好調であることや、世界的にインフラ投資が活発になっていることから、GE本体の業績も良好です。また株式市場も活況を呈していますので、金融部門を高く買ってくれる投資家はたくさんいます。同社はよいタイミングで金融事業を手放したと考えてよいでしょう。

 トップ・メーカーであるGEの本業が好調なことは、同じく製造業を得意とする日本にとっても朗報に思えますが、必ずしもそうとは限りません。

 製造業の世界は急ピッチでグローバル化と寡占化が進んでいます。国内メーカーでGEと競合するのは、三菱重工や日立製作所、東芝ということになりますが、18兆円を超える売上高を持つGEに対して三菱重工は3兆4000億円、日立製作所は9兆6000億円程度の売上高しかありません。

 20年前には、GEと日本メーカーとの間には、これほど大きな開きはありませんでしたが、今となってはかなりの体力差があります。市場が広がった分は、海外のトップ・メーカーがその果実の多くを取ってしまう可能性は否定できません。このところ、三菱重工や東芝は、シーメンスやGEの案件に共同で参加する形態を模索していますが、規模の違いを考えると、これは現実的な選択といってよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/23(金) 4:48
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