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アベノミクスに「セルインメイ」はあるのか?

2015/4/28(火) 7:00配信

THE PAGE

 日経平均が2万円を超え、強気の投資家が増えていますが、一方で、ネットを中心に「セルインメイ(5月に売れ)」という相場格言が話題になっているようです。この相場格言は当たるのでしょうか。

セルインメイとは?

 株式市場には、理論では明確な説明ができないものの、よく当たるといわれる経験則というものが存在します。これをアノマリーと呼びますが、セルインメイもこのアノマリーの一つということになります。相場には人の心理が大きく作用しますから、金融工学的な理論だけでは説明がつかない現象がしばしば発生します。したがって、こうしたアノマリーを意識して投資をすることは意外と重要です。しかし、こうしたアノマリーは、明確な定義がない分、時代や環境によって、その意味が次々と変わったりしますから、実際に活用する場合には注意が必要です。

 まず注意する必要があるのは、この格言はあくまで米国株式市場のもので、日本のものではないという点です。ただ日本市場は米国市場に引きずられて動くことも多いですから、その意味では、米国のアノマリーであっても無視することはできないでしょう。

 セルインメイは直訳すれば「5月に売れ」という意味ですから、ネットなどでは5月に株が下がるという意味に解釈されているようです。しかし、この言葉の後には「11月まで戻ってくるな」というものが続きます。多くのヘッジファンドが決算を迎える11月末に向けて夏場から徐々に売りが増えてくるので、まだ株価が高い5月のうちに売っておけというものが元来の意味だったという説がありますが、このあたりは実ははっきりしません。ヘッジファンドの決算も11月が多いといわれていますが、12月のところも少なくありません。11月決算の場合、5月が半期になりますが、12月の場合は6月ですから、5月という時期が必ずしも当てはまるものではないようです。しかし、5月に売れという言葉が一人歩きしてしまえば、元来の意味がどうであれ、それが現実になる可能性もあるわけです。

 さらにいえば、米国にはこれとは正反対の現象があります。それはサマーラリーです。株式市場が好調な時は夏にどんどん株価が上昇するというもので、むしろこちらの方が市場関係者にはポピュラーなものでしょう。サマーラリーを前提にするならば、むしろ5月は絶好の仕込み時ということになります。

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最終更新:2016/1/1(金) 4:30
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