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料理の鉄人手がけた演出家 田中経一が語るテレビの裏側

2015/4/26(日) 15:00配信

THE PAGE

 テレビ番組「カノッサの屈辱」や「料理の鉄人」「ハンマープライス」「クイズ$ミリオネア」「有吉弘行のダレトク!?」(フジテレビ)、「愛のエプロン」(テレビ朝日)など数々の人気番組で演出を手がけてきた田中経一さん。最近では自身の経験をベースに綴った小説「歪んだ蝸牛(かたつむり)」を出版。テレビの裏側を知る男の著作とあって、様々な話題を呼んでいる。そんな田中さんに、数々の番組の裏話などを聞いてみた。

自分の経験ベースに長編ミステリー小説

 『歪んだ蝸牛』は、30年間テレビ業界で仕事をしてきた田中さんが、これまでの経験と知識をベースにして書き上げた、長編ミステリー小説である。

 新東京テレビという架空のテレビ局の制作部に勤務する主人公・五味剛を中心に展開される複雑な人間模様と、現場で日々巻き起こる事件やトラブル、そこから見えてくるメディアの在り方から、昨今問題となっているヤラセ問題まで、実に様々な問題を取り上げている。

 「もちろん自分の経験がベースにはなっていますが、これはあくまでもフィクションです。ただし、これを読んだ同業者のなかには、きっとドキっとする方もいるでしょうね」と田中さんが語るように、テレビ業界の光と影、嫉妬と欲望が渦巻く複雑な人間模様など、フィクションではあるものの、リアルに書き綴られている。

誰も踏み込めない「聖域」だった「料理の鉄人」

 作中で主人公のディレクターは、『生激撮!その瞬間を見逃すな』という警察のガサ入れを生中継で放送する番組を担当している。その番組の放送中の場面は、圧倒的な臨場感があり、あたかも自分がその場にいるかのような感覚を味わうことができる。

 「『警察24時』も番組でやった事があるので、その経験が活かされている場面です。僕の場合、『料理の鉄人』もそうでしたが、ドキュメンタリータッチな空気は番組作りの上でも、重要なんです」

 田中さんが演出を手がけた「料理の鉄人」は、時代を牽引した番組としても知られる。そのなかで実際に料理人が対決するシーンは、誰も踏み込む事ができない「聖域」だったため、苦労も耐えなかったという。

 「今回の本の中でも書きましたが、僕らテレビ屋の仕事は、夢を見せながらも、それが『嘘』であってはならないというギリギリのところを行き来しています。時間内に料理ができないとか、現場で料理人が転倒するなどアクシデントも沢山起きましたが、料理人たちが真剣勝負する姿には嘘がないんです。そこにドラマが生まれ、感動を呼んだからこそ、あの番組は国境も超えて支持されたんだと思います」

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最終更新:2015/12/31(木) 4:39
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