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バーナンキ vs. サマーズの大論争って何?

2015/5/4(月) 7:00配信

THE PAGE

 FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長とサマーズ元財務長官が米国経済の長期停滞論に関して激しいバトルを繰り広げています。果たしてどちらの説が正しいのでしょうか。

 バーナンキ氏はFRB議長を退任した後は、その後の金融政策に影響を与えないよう、公の場での発言を控えていました。しかし、後任のイエレン氏による運営が安定してきたことから、最近は金融政策や経済について持論を述べるようになってきました。特に同氏が開設したブログには多くの市場関係者が注目しています。

 そんな中、同じく米国の経済政策や金融政策に絶大な影響力を持つサマーズ氏による、「米国経済は長期停滞フェーズに入っている」という主張に対して、バーナンキ氏が反論したことで大きな話題となりました。 

 サマーズ氏は、米国はリーマンショックが発生する前から長期の停滞フェーズに入っており、現在もそれが続いていると主張しています。米国ではイノベーションの停滞や人口増加率の低下によって有効な投資機会が減ってきており、根本的な需要不足が発生していることがその原因だということです。サマーズ氏は、リーマンショックの引き金となった住宅バブルが過度なインフレを引き起こさなかったのは、よい証拠だとしています。

 一方、バーナンキ氏は貯蓄が過剰であることは認めているものの、それは一時的なものだという立場です。バーナンキ氏は、米国は完全雇用に近づいており、需要不足で経済が停滞する状況には陥っていないと分析しています。

 バーナンキ氏の説が正しければ、現在の金融政策を継続することによって米国経済は持続的な成長を実現できるはずです。一方、サマーズ氏に軍配が上がるとすれば、ある程度の財政出動を行い需要を作り出していかないと、これ以上の成長は見込めないでしょう。バーナンキ氏はFRB議長として米国経済を回復させた立役者ですが、サマーズ氏はイエレン氏と争ったものの、FRB議長になることができなかった人物です。両者の主張が食い違うのはある意味で当然のことといえます。

 もっとも、サマーズ氏は長期停滞と呼んでいますが、米国経済は、リーマンショック以後も2%成長が継続しており、マイナス成長が続く日本とは根本的な状況が異なります。イノベーションが停滞しているという見方についても、グーグルやアップルなど、革新的な企業のほとんどすべてが米国に存在している事実を考えると、そもそもの評価基準がわたしたちとは大きく違うようです。米国では常にめざましい成長が続いていないと、それは停滞とみなされてしまうのかもしれません。 

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/6/4(木) 2:46
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