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専門家に聞く健康に良い野菜の摂り方とは?調査結果からは“誤解”も判明

2015/5/3(日) 7:00配信

THE PAGE

 新年度が始まって1か月。年度切り替えによる忙しさや歓送迎会やお花見などの宴会シーズンがひと段落して、改めて健康的な生活を心がけようとしている人も多いのではないでしょうか。中でも食生活において、外食が多くお肉や炭水化物が中心になりがちなビジネスパーソンにとって、積極的に野菜を摂ることは、健康的なライフスタイルにとって欠かせないものでもあります。しかしながら、一言に「野菜を摂る」といっても、健康のための適切な摂取方法を理解している方は、実は多くないのだそうです。専門家の方への取材と調査結果をもとに、健康のために正しい野菜の摂り方と生活者が抱いている“誤解”を解説します。

野菜の栄養素を吸収するためには、“ひと手間”が不可欠

 まずは、野菜の摂取とその栄養の吸収について研究している帝塚山大学 現代生活学部食物栄養学科の稲熊隆博教授に伺ったお話をもとに、健康のための適切な野菜の摂取方法を紹介します。

 稲熊教授は、野菜に含まれる豊富な栄養素を吸収するためには、「調理をすることが不可欠です」と語ります。ここでいう「調理」というのは、野菜を煮たり、焼いたり、炒めたり、つぶしたりする方法で、野菜を“生”の状態で食べないことを指します。「調理」をすることで硬い野菜の繊維や細胞が破壊され、含まれる栄養素が体内で吸収されやすくなるのです。ちなみに、「調理」というイメージが持たれることが少ないですが、野菜を果物などと一緒にミキサーにかけて作るスムージーや、市販されている野菜汁・果汁100%の野菜ジュースも、野菜を細かく砕くという「調理」をした状態です。

 一方で、私たちは生野菜をサラダの状態で食べることが大好きですが、実は生野菜の状態で野菜を摂っても、食べた量に応じた十分な栄養素を吸収することは期待できないと、稲熊教授は語ります。「みなさんの中では生野菜=新鮮で豊富な栄養素を吸収できるというイメージが強いですが、実は生野菜を口の中で数回噛んで食べたくらいでは、野菜に含まれる栄養素が体内で十分に吸収できるとは言えないのです。手軽に野菜の栄養を吸収したいのならば、サラダよりも野菜ジュースのほうが有効ではないでしょうか」(稲熊教授)。生野菜と調理野菜の栄養吸収の差について伺ったところ、リコピンやベータカロテンの摂取が期待できるトマトでは、加熱・破砕という調理することで生のトマトを食べた場合よりも約3.8倍もの吸収が期待できるという研究結果があるそうです。「これが世界の栄養学のスタンダード。ひと手間を加えることで、栄養素の吸収率が全然違うのです」と稲熊教授は語りました。

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最終更新:2016/2/6(土) 3:31
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