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第4次産業革命って何?日本は主導権を握ることができるか?

2015/5/9(土) 7:00配信

THE PAGE

 政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)は、日本の科学技術政策の柱となる次期科学技術基本計画に関する中間とりまとめの素案を公表しました。各国が第4次産業革命と呼ばれるイノベーション政策を進めており、日本もこれに積極的に取り組む方針が明記されています。日本の将来にも極めて大きな影響を及ぼすといわれる第4次産業革命とはいったいどんなものなのでしょうか。

 インターネットが社会に急速に普及してきたことで、身の回りにある、あらゆるモノがネットに接続されようとしています。現在はスマホやパソコンなど、いわゆる情報機器だけですが、近い将来、すべての家電製品や自動車、電力メーターなどがネットに接続され、相互に情報をやり取りするようになってきます。これをモノのインターネット(IoT:Internet of Things)と呼びます。しかし、すべての機器がネットに接続されることの本当のインパクトは家庭ではなく、産業分野にあります。

 飛行機や鉄道のような輸送機器、発電所や工場などの各種施設は、数え切れないほどの部品や装置で構成されています。現在は、これらのすべてが人の手によって管理されていますが、こうした部品や装置がインターネットにつながると、あらゆる機器の状況をリアルタイムで監視できるようになります。どの部品がいつ故障しそうなのか瞬時に判断ができるようになり、運用コストは劇的に低下します。

 最近では3Dプリンタの技術が急速に発達しており、自動車の車体や飛行機のエンジンの一部も3Dプリンタで製造できるようになってきました。これにロボット技術が加わってくると、一切、人の手を介在することなく、工場を建設し、それを維持することも理論的には可能となります。電子的に作成された図面さえあれば、世界中どこでも、工業製品を製造できてしまうわけです。

 これは製造業の分野にとてつもないインパクトを与えます。これまで熟練した作業員の知恵が必要だったモノ作りの分野に、一気にIT化と汎用化の波が押し寄せてくるからです。

 この動きを率先して進めているのが製造業大国ドイツです。ドイツは、シーメンスやダイムラーに代表されるような世界的なメーカーに加え、SAPのような著名なIT企業もあります。これらの企業群が手を組むことで、産業分野におけるネットワーク化の主導権を握ろうとしています。もしドイツにこの分野の主導権を取られてしまうと、日本の大手製造業は、ドイツ企業の単なる下請けになりかねません。

 基本計画ではこうした分野の強化をうたっていますが、日本はかなり出遅れています。残された時間はあまりないと考えた方がよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/13(土) 4:11
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