ここから本文です

日経平均もダウ平均も好調、イエレン氏の株高発言の狙いとは?

2015/5/14(木) 7:00配信

THE PAGE

 日経平均がとうとう2万円に達し、米国のダウ平均株価も1万8000ドルと堅調です。そのような中、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が、米国の株式市場は「かなり高い水準にある」との発言を行いました。中央銀行の総裁が、株価水準について言及することは珍しく、市場では様々な解釈がなされています。果たして現在の株価水準は高すぎるのでしょうか。

 イエレン氏の発言があったのは5月6日、IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事との対談です。両氏は世界の経済・金融政策に絶大な影響力を持っていますから、軽々しく市場動向について発言することは原則としてありません。ゼロ金利政策に関する話題の中での発言であったことを考え合わせると、イエレン氏は周到に準備した上で、株高発言を行ったと見るべきでしょう。

 確かにイエレン氏が指摘するように、米国の株高は低金利による過剰流動性に支えられたものであり、見方によっては買われ過ぎと判断することもできます。しかし、イエレン氏も言及しているように、業績面で見ると、それほど割高な水準とは言えません。日本株も同様で、量的緩和の影響による株高であることは間違いありませんが、上場企業の業績は総じて堅調ですので、実力以上の相場ということにはならないでしょう。

 ではイエレン氏はなぜわざわざ株高に言及したのでしょうか。その真意は本人しか知りようがありませんが、可能性として高いのは、政策金利の引き上げです。

 米国は順調に景気が回復しており、FRBは近いうちに金利の引き上げを予定しています。しかし、厳冬などの影響で1~3月期のGDPが低迷するなど、足元では景気回復が踊り場に差し掛かっているとの見方も台頭してきました。このため、一部からは金利引き上げを来年以降に延期した方がよいとの意見も出てきています。

 しかしFRBとしては、市場の声に左右されて金融政策の自由度が損なわれてしまうことは望ましくありません。低金利が続くことで株価が上昇し、株価の上昇がさらに低金利を求めるような図式は回避しておきたいわけです。株価が割高であると警告しておけば、低金利期待でさらに株が買い進まれることを抑制することができます。逆に、6月や9月に金利を引き上げることになった場合でも、株式市場に対する影響を最小限にとどめることができるでしょう。

 これまで低迷が続いてきた原油価格が上昇に転じたことや、ドイツ経済が好調であることから、欧州の金利が急騰しています。これに歩調を合わせるように、米国の金利もじわじわと上がってきていますから、FRBは思いのほか早く金利引き上げを決断するかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/6/14(日) 2:42
THE PAGE

Yahoo!ニュースからのお知らせ