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安倍首相も注目、家庭用電力システムに参入する米テスラってどんな会社?

2015/5/15(金) 7:00配信

THE PAGE

 米国の電気自動車メーカーであるテスラ・モーターズは4月30日、家庭用蓄電池システムを販売すると発表しました。実は同じ日、訪米中の安倍首相が同社を視察し、CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏の案内で電気自動車の試乗を行っています。日本の首相がわざわざ視察したテスラとはどのような会社なのでしょうか。また、同社が家庭用蓄電池を販売することにはどのような意味があるのでしょうか。

 テスラは、2003年に創業した米国のベンチャー企業です。スポーツタイプの高級電気自動車を得意としており、同社のクルマは世界のセレブがこぞって購入する人気商品となっています。

 しかし、同社の最終的な目標は、単なる電気自動車メーカーではありません。電気自動車が搭載する蓄電池を軸に、電力システム分野への参入を狙っているといわれています。その第一弾となる商品が、家庭用蓄電池システムというわけです。

 近年、自宅に太陽光パネルを設置する世帯が増えていますが、発電した電気をうまく貯めることができなければ、その使い勝手は半減してしまいます。安くて性能のよい蓄電池は、家庭の電力システムの土台となるわけです。また、電力システムとITを組み合わせることによって、家電製品を総合的に制御して家庭の電力配分を最適化するといったことも可能となります。つまり安価な家庭用蓄電池を供給できたメーカーは、非常に大きなビジネスチャンスを手にすることができるわけです。電気自動車のメーカーであるテスラが家庭用蓄電池の分野に参入するのは、そのような理由があると考えられます。

 同様の製品は日本製も含めてたくさんありますが、テスラの特徴は何と言ってもその安さでしょう。容量7キロワット時のモデルが3000ドル(約36万円)となっており、標準的な製品と比較すると半額以下の価格設定です。テスラは日本市場でも製品を投入する方針ですから、同社の参入をきっかけに、この分野でも一気に価格破壊が進むかもしれません。

 次世代の自動車の動力源としては、水素を使った燃料電池車と電気自動車の二つが有力といわれています。諸外国では電気自動車という流れに傾きつつありますが、日本は国家主導で水素社会の実現を目指しています。水素社会は実現できれば極めて高い成果を得ることができますが、技術的な難易度が高く、インフラの整備にもお金がかかります。一方、電気自動車は、長距離を走れないなど欠点もありますが、構造が簡単で誰でも参入でき、家庭用の電力システムを応用できるので、普及が容易であるともいわれています。

 どちらが次世代の主導権を握るのかはまだ分かりません。双方の長所短所を生かして、両者が混在するようになると指摘する専門家もいるようです。 

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/11(木) 4:52
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