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世の中低金利なのに三菱UFJ利益1兆円超え。どうしてそんなに儲かってるの?

2015/5/21(木) 7:00配信

THE PAGE

 三菱UFJフィナンシャル・グループの2015年3月期決算は、純利益が前年度比5%増の1兆337億円となり、国内の金融機関としては、初めて1兆円の利益を達成しました。他のメガバンクも三菱UFJほどではありませんが、業績は比較的堅調です。現在、日本経済は量的緩和策によって超低金利が続いていますが、銀行は金利が低いとあまり儲からないといわれます。なぜこれほどの利益を上げることができるのでしょうか。

 本業の儲けである業務純益は、前年度から1808億円増加して、1兆6449億円となりました。銀行の収入は、融資を行うことによる利子収入と、各種手数料収入の2つに大別することができます。銀行は、顧客から預金を集めて、そのお金を企業や個人に貸し出しています。預金に対して支払う利子と、融資先から徴収する利子の差額(利ざや)が銀行の最終的な儲けとなります。利子による儲けは貸し出しというリスクを取った上での利益ですが、振り込みや預金の引き出しなどの際に顧客から徴収する手数料は銀行側がリスクを負っているわけではありません。銀行は常にこの両方のバランスを取って経営しているわけです。

 現在、日本は量的緩和策を継続中ですから、金利が過去最低水準まで低下しています。このため融資先から高い利子をとることができず、銀行の利ざやは低下傾向が顕著となっています。三菱UFJフィナンシャル・グループの中核銀行である三菱東京UFJ銀行における国内の利ざやはわずか1.16%で前年度から約0.1ポイント低下しています。このため国内融資業務からの収益はほとんど増加していません。

 業務純益が大幅に伸びた要因は、増益を実現している他業種の企業と同様、海外案件の拡大です。同行は2013年12月、タイ5位の銀行であるアユタヤ銀行を買収し、連結決算の対象に加えました。今回の決算からアユタヤ銀行の収益が本格的に計上されたことで利益が増加しました。また、海外向けの融資を積極的に増やしたことで、利子収入や手数料収入も大幅に増加しています。海外向けの融資はすでに全体の37.5%に達する状況です。 

 海外向け融資の拡大は今後も続く可能性が高く、それに合わせて、メガバンクの業績は当面、堅調に推移すると考えてよいでしょう。しかし中期的には金利上昇というリスク要因もあります。物価上昇が順調に進み、日銀の量的緩和が終了した場合、金利は現在の水準から大幅に上昇するかもしれません。銀行は、金利上昇に対する準備も進めているはずですが、金利上昇が予想以上にハイペースだった場合、運用が計画通りにいかなくなり、損失を出す可能性もあります。
 

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/30(土) 4:49
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