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1~3月期GDP、これまでと変わった点は?

2015/5/23(土) 7:00配信

THE PAGE

 内閣府が発表した2015年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値は、物価の影響を除いた実質でプラス0.6%となり、2四半期連続で増加しました。景気はよくなっているのでしょうか。

 2014年は消費税の増税が実施されたこともあり、かなり厳しい状況が続いていました。2014年4~6月期はマイナス1.8%、7~9月期はマイナス0.5%と2四半期連続で減少し、10~12月期にようやくプラス転換しています。プラス転換したといっても、わずか0.3%ですから、大きな効果はありませんでした。

 今期はプラス0.6%の成長となり、プラス幅が拡大しています。増税直後のマイナス1.8%を埋めるまでには至っていませんが、多少は景気が持ち直してきたのかもしれません。

 こうした傾向はGDPの内訳にもあらわれています。これまで停滞する個人消費を政府の公共事業がカバーするという図式がずっと続いてきました。政府の公共事業は実質的には借金で賄われていますから、借金をして何とか現状の経済を維持しているという状態だったわけです。

 しかし今期は、個人消費がプラス0.4%と3四半期連続でプラスとなったほか、住宅もプラス1.8%とまずまずの結果でした。公共事業は減少していますが、これを民需がカバーする図式ですから、本来の経済の姿に近くなったといってよいでしょう。

 企業の設備投資も4四半期ぶりにプラスとなりました。中小企業はまだまだ経営が厳しいところが多いですが、大手企業に限って言えば業績は改善しており、設備投資意欲は高まっています。

 しかし、民間の需要が完全に復活したというわけではありません。GDPの成長全体に対する寄与度を見ると、もっとも大きいのは在庫品の増加です。在庫の増加は、企業が今後の順調な販売を見越して増産したと解釈することもできますが、売れないので在庫が積み上がっている可能性もあります。今後も景気が拡大していくためには、個人消費がどの程度増えていくのか、設備投資が息切れしないのか、よく見極める必要があるでしょう。

 もっとも、日本企業の業績が拡大しているのは、好調な米国経済を受けて、米国向けの販売が増えているからです。米国経済は今、利上げのタイミングをめぐって微妙な時期にあります。また厳冬という一時的な要因とはいえ、1~3月期のGDPは成長が大きく鈍化しています。米国経済が踊り場に差し掛かってしまうと、日本の成長にもブレーキがかかってしまうかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/6/23(火) 2:38
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