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東証1部の時価総額がバブル期超え、株価は半分なのになぜ?

2015/5/27(水) 14:00配信

THE PAGE

 東証1部の時価総額が過去最高を更新し、とうとうバブル期の水準を超えました。しかし時価総額がバブル期超えといわれてもあまりピンとこない人が多いと思います。株式投資をしている人には当たり前のことですが、株価と時価総額は異なる指標です。時価総額が過去最高額というのは何を意味するのでしょうか。

 5月22日における東証1部の時価総額(終値ベース)は591兆3007億円となりました。これまでの最高額はバブル経済がピークだった1989年12月29日の590兆9087億円ですから、約25年ぶりに過去最高額を更新したわけです。同じ日には、株価も史上最高値(終値ベース)である3万8915円を付けていますが、現在の株価は約2万円となっています。時価総額については、最高額を更新しているのに、株価は半分までしか戻っていません。

 時価総額は株式市場に上場している銘柄の株価に株数をかけたもので、上場企業が持つ企業価値の総額ということになります。もし上場している企業の数が同じであれば、株価が上昇すると時価総額もその分だけ増え、株価と時価総額は同じ動きを見せることになります。しかし上場する企業の数が増えれば、株価は上がっていなくても、時価総額が増えるわけです。

 1989年に東証1部に上場している企業の数は1161社でしたが、現在は1890社と1.6倍に増えています。株価が同じ水準だった場合には、時価総額は1.6倍になる計算です。会社数がバブル期に比べて1.6倍になる一方で、株価は当時の半分強ですから、これらを掛け合わせると、時価総額は当時とほぼ同じになるわけです。株価が半分なのに、時価総額が同じになる理由はここにあります。

 時価総額がバブル期を超えたことで、現在の株式市場はバブルなのではないか、という声もあるようですが、時価総額は会社の数に比例して増えてくるものです。市場が過熱しているかどうかは株価で表されることになりますから、あくまでバブル期の半分という認識が正しいでしょう。

 上場する企業の数が増えていることは、市場の裾野を広げるという意味で評価すべきことです。ただ、資本市場の役割という点では、バブル当時の状況にはまだまだ及びません。2014年に株式市場で調達された資金は約2兆円でしたが、1989年には9兆円近くが調達されていました。過去25年で世界の資本市場が急激に規模を拡大させたことを考えると、日本の資本市場はむしろ相対的にその機能を大幅に弱めているといっても過言ではありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/3(日) 4:50
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