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円安加速、節目の「124円14銭」突破でドル円はどうなる?

2015/5/28(木) 14:54配信

THE PAGE

 円安の勢いが止まりません。28日の外国為替市場では、ドル円相場の歴史的な節目である1ドル=124円14銭を突破し、今後さらに円安が進むとの見方が強くなってきました。この為替水準はなぜ重要なのでしょうか。

 1ドル=124円14銭という数字が強く意識されてきたのは、この水準を突破した場合、長期的なドル円相場のトレンドが大きく転換したサインになると考えられているからです。

 ドル円相場は、1973年に変動相場制に移行して以来、一貫して円高ドル安トレンドが続いてきました。円高が進むとその反動で一時的には円安になることが多いのですが、85年以降は、前回の円安を超えて円安になることは一回もなく、毎回ドルの上値が切り下がっていました。直近でもっとも円安となったのは、2007年6月に付けた1ドル=124円14銭なのですが、これまでのパターンを踏襲した場合、この水準を超えて円安にはならないはずです。しかし、この水準を突破することになれば、30年近く続いた長期の円高ドル安トレンドが転換したサインと認識されることになるわけです。

 今回の円安には、追加緩和の発動など決定的な要因はありません。しかしいくつかの材料が重なってしまったことで、多くの投資家が一斉に動き出したものと考えられます。

 マクロ的には米国経済は好調であり、中長期的にドル高が続くと見る投資家が大勢を占めています。しかし厳冬の影響などから、1~3月期のGDPは年率換算でプラス0.2%と思いのほか冴えない結果となりました。このため一部の投資家は、米国の成長は一旦踊り場となる可能性が高く、それに伴ってドル高も一休みするのではないかと考えていました。市場では、ドル高の見通しと一時的なドル安の見通しが交錯していたわけです。

 こうしたところに、FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が年内の利上げ実施を匂わす発言を行い、設備投資や住宅販売など米国経済の堅調さを示す指標が発表されました。また日本国内では4月の貿易統計が再び赤字になるなど、ドル高を連想させる出来事が相次ぎ、これらが総合的に作用し、投資家を一斉に動かしたものと思われます。

 相場が一旦円安方向に動いてしまうと、円高方向にかけていた投資家の損失が拡大することになります。こうした投資家は、損失を最小限に食い止めるため、一斉に逆方向への取引を開始することになりますが、これによって相場の動きがさらに加速するという現象が発生しやすくなります。

 通常、為替の水準は二国間の物価の違いや金利差などで決定されますが、このような状況になってくると、むしろ投資家の心理面の方が重要となってきます。指標的には現在の円安は多少行き過ぎですが、あっさりと歴史的節目を超えたことを考えると、やはりトレンドが転換したと考えた方がよいのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/30(金) 4:31
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