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新しい定額制音楽配信サービスは、日本のガラパゴスを解消できるのか?

2015/5/31(日) 7:00配信

THE PAGE

 エイベックス・デジタルとサイバーエージェントが定額制音楽配信サービスに参入しました。日本は音楽配信サービスの世界では、ガラパゴス状態となっており、完全に世界から取り残されています。大手レーベルとネット企業のコンビでこうした状況を打ち破ることができるのでしょうか。

 両社が共同出資して設立したAWA株式会社は27日、定額制音楽配信サービス「AWA」をスタートしました。アンドロイドとiOSに対応しており、月額定額料金で洋楽・邦楽合わせて数百万曲の楽曲を楽しむことができます。ソニー・ミュージックエンタテインメントやワーナーミュージック・ジャパンなど22社が参加し、楽曲数は2016年末までに1000万曲を揃える予定となっています。料金体系は月額360円と1080円の2種類があり、料金によって、利用できるサービスの内容が異なっています。

 音楽の定額配信サービスといえば、全世界的にはSpotifyが有名です。Spotifyは、スウェーデン生まれの音楽配信サービスで、3000万曲以上のライブラリーの中から、聴きたい曲をいつでも聴くことができます。すでに6000万人もの利用者を獲得しており、広告が入るなどの制限はありますが、基本的に無料で利用できます。月9.99ドルの利用料を払えば、一切の制限なしに音楽を聴くことが可能となりますが、すでに利用者の4分の1が有料会員だそうです。

 実はSpotifyは日本に進出しており、2014年中にサービスを開始する予定だったのですが、同社のサイトはまだ準備中となったままです。国内レーベルとの権利関係の交渉がまとまらないことがその原因ともいわれますが、主要国では日本だけがSpotifyのサービスを利用できないという状態が続いています。

 日本では、すでにレコチョクやソニーが定額配信サービスを提供していますが、ソニーのMusic Unlimitedは3月でサービスを終了してしまいました。ソニーは代わりにSpotifyと提携して新しいサービスを始めたのですが、Spotifyが日本でサービスを提供できないことから、日本人はソニーの新しいサービスを利用することができません。

 AWAは当初、数百万曲からスタートしますが、このレベルですと、自分の好きなアーティストをすべてカバーするのは難しいと考えた方がよいでしょう。しかし1000万曲というレベルになってくると、それなりの存在感となる可能性がありますから、今後の展開には要注目です。しかし、利用者としては世界でもっともメジャーなサービスとの比較ができないのは非常に残念です。

 日本は世界で唯一、CDの売上げが音楽コンテンツの8割を占める非常に特殊な国です。音楽配信市場は逆に縮小が続いており、2014年にようやく増加に転じたという状況です。こうした市場の閉鎖性・特殊性が、新しい音楽サービスの上陸を阻んでいるのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/27(水) 4:53
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