ここから本文です

年内の売りが得策なの? MMFの為替差益にも課税ってどういうこと?

2015/6/8(月) 7:00配信

THE PAGE

 金融商品に関する新しい税制が2016年からスタートします。これまで株式とは別の税制が適用されていた公社債・公社債投信に対しても株式と同じルールが適用されることになります。外貨建てのMMF(マネー・マーケット・ファンド)の為替差益にも課税されることになりますからMMFに投資している人は要注意です。FX(外国為替証拠金取引)についてはデリバティブという扱いになり、もともと課税対象でしたから、今回の税制改正であらたに課税されるわけではありません。

 2013年に改正された「所得税法等の一部を改正する法律」の中には「金融所得課税の一体化」が盛り込まれており、これが2016年1月から施行されることになります。これまで公社債は、利子や配当のみに税金がかかり、売却益に対して税金がかかることはありませんでした。一方、株式は、配当にも課税されますし、売却益にも課税されます。新しい税制ではこれを一本化し、公社債でも株式でも基本的に同じ税制が適用されることになります。同一の税制ですから、損益通算も可能となり、債券で出した損を株式の利益から差し引いて節税するといったことができるようになります。

 この改正で影響を受けるのはMMFに投資している投資家でしょう。外貨預金で為替差益が出た場合には、雑所得の扱いとなり税金が課せられていました。このため外貨預金を避け、MMFで運用する個人投資家も多かったわけです。しかし新しい税制では、MMFの譲渡益(為替差益含む)にも課税されることになりますから、相対的にMMFの税制面での魅力は少なくなってしまいます。場合によっては、税制改正前に売っておこうという投資家も出てくることになるでしょう。また含み損が出ている投資家の場合には、来年から株など、他の商品との損益通算ができますから、来年まで売却を待つという選択肢もあります。

 確かに、税制は売買のタイミングを決めるひとつの要素ではありますが、もっとも大事なのは、今後為替がどう推移するのかという予測です。もし今後も円安が続くということであれば、基本的に保有し続けるのがベストですし、逆に円高になると考えるのであれば、その時が売却のベストタイミングになります。税制にだけ左右されて売買タイミングを考えるのは本筋ではないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/12(土) 4:25
THE PAGE