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電子マネー決済は毎年3割増加 でも、まだまだ現金

2015/6/7(日) 7:00配信

THE PAGE

 日銀は毎月決済に関する統計を発表していますが、先月からあらたに電子マネーに関する項目が加わりました。2014年における電子マネーの決済額は約4兆円となり、2013年と比較して28%の増加となりました。

 新しく統計の対象となったのは、プリペイド方式のIC型電子マネーで、鉄道会社などが発行するSuicaやPASMO、楽天グループが提供している楽天Edy、大手スーパーが提供するnanacoやWAONといったものです。

 2014年における電子マネーの決済件数は40億4000万件、決済金額は4兆140億円となり、2013年と比較して金額で8785億円、率にして28%増加しました。2013年の伸び率は27.1%、2012年の伸び率は25.6%でしたから、毎年30%近く、決済金額が増えている計算になります。1件あたりの決済金額は994円ということになりますから、少額の買い物の決済に電子マネーを利用している状況が想像されます(ちなみに、この統計の中に交通系電子マネーにおける乗車券の購入代金は含まれていません)。

 現在、市場に流通している現金(日銀券と硬貨)の残高は約95兆円となっています。マネーストック(金融機関が市場に供給している通貨の総量)が約1200兆円ですから、8%が現金ということになります。電子マネーの残高は約2000億円ですから、現金に対する電子マネーの割合はまだ0.2%に過ぎません。

 日本は国際的に見ても現金に対するニーズが非常に強いことで知られており、GDPに対する現金の割合はドルやユーロの2倍の水準に達します。クレジットカードや電子マネーなど新しい決済手段が増えているにもかかわらず、現金の割合が高く推移している明確な理由は分かっていません。現金を好む人が多いことや、タンス預金として現金を退蔵している人が一定数存在することなどが影響していると考えられます。

 決済の電子化を進めることは、事務処理の迅速化や透明化という点で大きなメリットがありますが、現金を好む風潮が強いということになると、一気に電子マネーが普及するという状況にはなりにくいでしょう。電子マネーの中心的な利用形態が店舗での少額決済であることを考えると、電子マネーの決済額を増やしていくためには、端末を設置する店舗を地道に増やしていくことが重要となります。

 現在、国内には157万台の電子マネー端末が設置されています。端末の設置台数と決済金額はおおよそ比例していますので、端末の台数を増やしていけば、それなりに決済額も増えてくることが予想されます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/11(木) 4:28
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