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政府が職業訓練大学の創設を検討、これってあのL型大学のことなの?

2015/6/10(水) 7:00配信

THE PAGE

 政府は実践的な職業訓練を行う新しい高等教育機関の創設について検討を開始しました。今月中にまとめるあらたな成長戦略に盛り込み、2019年度の開校を目指します。

 4日に開かれた政府の産業競争力会議では、文部科学省と厚生労働省から、人材育成に関する政策パッケージ案が示されました。案では、労働生産性を向上させるためには、大学が実践的な教育プログラムを提供することに加え、労働者がキャリアアップのためにいつでも学び直しができる環境が必要であると指摘しています。これを実現するため、実践的な職業教育を行う新しい高等教育機関を制度化するとともに、既存の大学や専門学校などからの転換を促すとしています。

 新しい教育機関は、大学としての体系に位置付けられ、学位も授与することになりますが、教養中心ではなく企業のニーズに合致した実務教育を行います。インターンシップの単位認定を積極的に行い、場合によっては、有給で長期のインターンシップを単位として認めることを検討します。高校卒業生を入学対象としますが、同時に社会人の入学も可能とし、キャリアアップの場としても機能させます。

 日本の教育システムは、義務教育から高等教育まで、原則として1つの路線しかありませんでしたが、新しい制度の創設後は、複数の路線が並立する形になり、教育の多様化が進むことになります。

 日本企業の生産性は諸外国と比べて低い水準にとどまっています。雇用や労働のあり方などが主な原因といわれていますが、実践的な教育カリキュラムの不在もこれに拍車をかけていると考えられています。こうした事情もあり、大学である程度の職業訓練を行うことの必要性については多くの人が賛同していますが、それに特化した学校を創設することについては様々な意見があるようです。

 昨年、文部科学省の有識者会議で、今の大学を、グローバル人材を育てる「G(グローバル)型大学」と、職業訓練校的な教育をほどこす「L(ローカル)型大学」とに分けるという案が有識者から提示され、大きな議論となったことがありました。

 学生の習熟度や希望に応じてカリキュラムを分けることは非常に効率的ですが、一方で、路線を決めて教育してしまうと、学生の将来を狭めてしまう可能性もあります。今回の案についても、その具体的なあり方をめぐっては議論の対象となってくるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/9/11(金) 3:54
THE PAGE

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