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ハワイの再エネ100%は実現できるの? 日本はどうなの?

2015/6/12(金) 7:00配信

THE PAGE

 米国のハワイ州で8日、2045年までに州内の電力のすべてを再生可能エネルギーでまかなうという野心的な法律が成立しました。州レベルで再生可能エネルギー100%を政策目標とするのは、全米でも初の試みとなります。日本への影響はあるのでしょうか。

 ハワイで成立した法律は、州内の電力を段階的に再生可能エネルギーに移行させ、2045年にはすべての電力を再生可能エネルギーでまかなうという内容です。ハワイは天候がよく太陽光の発電に適しているほか、海に囲まれており風力発電にも有利な環境にあります。また、キラウェア火山があることからも分かるように、ハワイは豊富な地熱エネルギーも持っています。つまり再生可能エネルギーを活用するための基礎的条件を備えているわけです。

 しかし現実のエネルギー構成はこれとはまったく異なっています。ハワイの電力のほとんどは火力となっており、今のところ再生可能エネルギーの比率は2割程度しかありません。しかもハワイは米国本土から遠く離れているため石油の輸送コストがかさみます。このためハワイの電力料金は日本並みに高いことで知られています(米国の平均的な電力料金は日本の半分以下です)。

 このような環境であるにもかかわらず、火力発電に頼っていたのは、やはり電気の安定供給を重視しているからでしょう。ハワイは大型のリゾート施設が多数建設されていますが、こうした施設では、天然ガスを使った自家発電を行い何とかコストを抑えています。このような事業者は再生可能エネルギーへの移行について反対しているといわれています。

 日本政府は2日、2030年までに温暖化ガスの排出量を2013年比で26%削減するという目標案を決定しました。また、2030年度の望ましい電源構成(ベストミックス)案については、再生可能エネルギーの比率を原子力よりも多い、22~24%に設定しています(原子力の比率は20~22%)。

 ハワイは観光を主な産業とする島ですので、米国本土や日本とはかなり状況が異なります。諸外国でも再生可能エネルギー100%を達成しているのは火山が豊富な小国のアイスランドなどごく一部です。

 ただ、ドイツのように日本をしのぐ工業国でありながら、再生可能エネルギーの比率を高めようとしている国もありますし、米国でもサンフランシスコなど一部の都市では再生可能エネルギー100%を目標にしています。ハワイでの野心的な取り組みは、日本のエネルギー政策に対しても、多少の影響を与えることになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/19(月) 4:50
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