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ハリルJがシンガポールに苦戦した理由

2015/6/17(水) 6:14配信

THE PAGE

 腕を組んだ体勢のまま、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は微動だにしなかった。悪夢のスコアレスドローを告げる笛が鳴り響いた直後から十数秒間、ベンチ前のテクニカルエリアで立ち尽くしたままピッチを見つめていた。

 16日に初戦を迎えた日本代表のW杯アジア2次予選。相手はFIFAランク154位のシンガポール代表。埼玉スタジアムを青く染めた5万7533人のサポーターは、派手なゴールラッシュとともにロシアへの道が開けると信じて疑わなかった。

 キックオフ直後から日本が試合を支配した。FW本田圭佑(ACミラン)の7本を筆頭に、放ったシュートは23本。そのうち11本を枠内に飛ばしたが、ネットを揺らせないまま時間だけが過ぎていく。

 後半16分にFW大迫勇也(ケルン)を投入して、フォーメーションを「4‐2‐3‐1」から2トップへ。同26分にはボランチを1枚削り、FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)を投入して「4‐1‐3‐2」へ代えても状況を打開できない。

 試合後の公式会見で、ハリルホジッチ監督は神がかったセーブを連発したシンガポールの守護神、24歳のイズワン・マフブドを苦笑いしながら絶賛した。

「相手のゴールキーパーをほめなくてはならない。6点は防いだと思う」

 FW岡崎慎司(マインツ)の左足シュートを止めた前半30分、ヘディングシュートを止めた後半10分のセーブは確かに圧巻だった。岡崎自身も「相手を乗せてしまうと、こういう結果になる」と自身のふがいなさを責めた。

 シンガポールは予想通りにワントップの選手を除いた全員が自陣に下がり、強固なブロックを形成して日本の攻撃を封じ込めにきた。FW宇佐美貴史(ガンバ大阪)の個人技、ダブルボランチを組んだ柴崎岳(鹿島アントラーズ)と長谷部誠(フランクフルト)からの縦パスなど、引いた相手を崩すためのセオリーも実践し続けた。

 それでもゴールを奪えなかった理由は、指揮官が言う通りに「運がなかった」からだけなのか。攻撃陣をけん引し、後半28分にはバーを直撃する直接FKを放った本田は「臨機応変さが足りなかった」と反省点を挙げた。

「相手は日本のテンポを遅らせる守備をしてきた。久しぶりにアップテンポのサッカーをしていた流れのなかで、いきなりこういう状況に追い込まれたときに切り替えることができなかった。日本がさらにテンポを遅らせるとか、そういうタメを作ることが必要だった」

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最終更新:2015/11/20(金) 4:15
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