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49歳の山本昌を掛布氏が「試合を作れる投球術健在」と高評価

2015/6/19(金) 6:00配信

THE PAGE

 右膝の故障で出遅れていた中日の山本昌投手(49)が18日、兵庫県・鳴尾浜で行われた2軍の阪神戦に今季初先発。阪神は、1軍メンバーを8人も揃えてきたが、2回を投げ、失点は2回先頭の新人、江越大賀(22)に浴びたソロアーチだけに抑えた。20球の始動で、ストレートは最速132キロ。

 8月11日で50歳となるシーズンを遅ればせながらスタートさせた山本昌は、「点を取られたのは残念。初球から振ってくる打者(江越)にスーッと(ストライクを)取りに行ったのは、まだ嗅覚が足らないし、試合勘のなさ。でも、相手が必死で打ってくる対外試合で投げられたのは大きいし、100点じゃないけれどストライクも入ったし、思ったよりはできた」と、笑顔で取材に応じた。

 対戦相手のベンチには、阪神DCで評論家の掛布雅之氏がいた。

「50歳になる男がマウンドに立っているだけで奇跡。しかも、独特のピッチングフォームからの間の作り方は健在だったし、右打者のインサイドに食い込んでくるボールも有効で、スピードガンで勝負せずにストライクゾーンの両端とボールのキレで勝負する山本昌の世界観があった。投球術も健在。今季は、セ・リーグのストライクゾーンが広くなっているので、山本昌なら間違いなく、そこを使いながら、1軍に上がってもゲームは作れるだろう。

 今後、5イニングくらいを投げることできるスタミナがついてくれば、十分にやれると思う。ただ、今の中日の打線の調子と、後をつなぐ中継ぎ投手の状況を考えると、5イニングメドの山本昌が勝てるかどうか、さらにローテーションに入る余地があるのかどうか。そこは問題だろうが、体の強さと独特のピッチングスタイルを磨いてきたからこそ50歳までやってこれた。一人の野球ファンとしては、ぜひ奇跡の先発を見せてもらいたい」

 60歳の掛布氏は、現役時代が重なっているレジェンド左腕へ熱いエールを送った。

 山本昌は、3月3日の教育リーグ、ソフトバンク戦で、1球を投じた際に、右膝に違和感を覚えて降板。以後、鳥取のトレーニングジムにも通いながら懸命のリハビリを続けて、ようやく先発復帰を果たした。今後は、徐々にイニング数を増やしていき、5イニングを投げきる試合を2、3試合こなすのが、1軍チャンスを待つためのノルマ。1か月以上の時間はかかるだろうが、山本昌は「出遅れたが、転んでもただでは起きない。1軍で戦力になれるように結果を出して声が掛かればいける準備をしたい」と力強く今後の見通しを語った。

 もし1軍昇格して勝利を手にすることができれば、ジェイミー・モイヤーがロッキーズ時代に作った49歳5か月の世界最年長記録を更新することになる。

 キャンプ中には「普通に考えて今年で終わりかもしれないが、引退という言葉は自分からは口にしない。また来年も契約したいという結果を出す」と語っていた。

 プロの世界は、もちろん実力の世界。ベテランよりも若手にチャンスを与えるのがチーム編成の原則だろうが、ここまでくれば、もう球界の天然記念物を越えた存在。他のベテランと山本昌は、一線を画して扱うべきで、掛布氏の言葉を借りるわけではないが、山本昌だからこそ起こせる奇跡を見てみたい。

最終更新:2015/8/20(木) 3:48
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