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新国立競技場建設に2500億円、高いのか安いのか?

2015/7/1(水) 7:00配信

THE PAGE

 2020年に開催が予定されている東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の整備費が2500億円を突破することが明らかとなりました。一部からは高すぎるという批判の声も出ているのですが、この金額をどう考えればよいのでしょうか。

 下村文部科学大臣は6月29日、オリンピック関係者が集まる会議において、新国立競技場の整備費を約2520億円とすることを報告しました。7月にもゼネコンと契約し、2019年5月に完成する予定とのことです。

 新国立競技場は、現在、取り壊しが進んでいる旧国立競技場と周囲を拡張した用地11万平米に建設されます。収容人員は8万人と旧国立競技場を大幅に上回り、建物の延べ床面積は五輪史上最大規模になる予定です。当初は、総工費が1300億円程度と見積もられていましたが、実際にコンペが行われ、設計の概要が明らかとなるにしたがって金額が膨れあがっていきました。

 費用が3000億円を超すとの見方も出てきたことから、慌てて設計の見直しを行い、一時は、規模を縮小して1625億円とする計画が発表されました。しかし、建設を請け負う予定のゼネコンなどから3000億円を突破するとの試算が示され、結局、2500億円程度で落ち着いたわけです。建設費を削減するため、全天候型の開閉式屋根の設置は大会後の設置とし、電動による可動式を予定していたスタンドの席は、簡易着脱式に変更されました。

 2500億円という金額は、これまでのオリンピックの歴史の中でもかなり高額な部類に入るといわれています。オリンピックは、周辺の施設を含めて総合的に開発が行われるため、建造物単体の経費を特定しにくい面があります。それでも2008年に行われた北京オリンピックの整備費は約500億円、2012年のロンドンオリンピックは約1000億円(追加費用あり)とされていますから、高額であることは間違いないでしょう。

 ちなみに、1964年に開催された東京オリンピックのメイン会場であった旧国立競技場は、1958年に総工費16億円程度で建設されたといわれています。当時のGDPは現在の約40分の1、消費者物価は約6分の1ですから、GDPを基準に考えると、現在の価値で640億円ということになります。現在と当時では、環境が異なるため単純比較はできませんが、過去との比較でもやはり高額のようです。

 高いコストについては批判の声が出ていますが、国際競争力が落ちている現在の日本では、こうした大型の公共事業くらいしか景気を浮揚させる材料に乏しいのも事実です。現在の日本経済の状況では、成熟社会型のコンパクト五輪を開催するのは無理なのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/19(火) 4:44
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