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一粒千円のイチゴはなぜ売れる?被災地発のブランド化戦略とは

2015/7/1(水) 12:00配信

THE PAGE

下りエスカレーターを駆け上がっていく

 東日本大震災の津波で、イチゴハウスの95%が被災する壊滅的被害を受けた宮城県山元町。その被害から立ち上がって生まれた「ミガキイチゴ」だが、「被災地の商品である」ことは前面に出さず、ケースに「MADE IN YAMAMOTO」と書かれているのみだ。塔本さんはその狙いを、「被災地だからという理由で買われる商品は長続きしない。お客さんが物自体の価値を認めて購入して、あるとき被災地であることに気づく、という順序にしたかった」と説明する。

 同社はこれまで得たイチゴのIT栽培でのノウハウを生かし、インドでのイチゴ生産や、山元町でのイチゴ農家への新規就農支援も始めている。今後の目標は、ミガキイチゴの生産者を増やし、山元町に1万人の雇用を創出することだ。「ミガキイチゴ」はITでイチゴ栽培をしているため、同社のノウハウを提供すれば、農家としての特別な技術と知識がなくてもある程度の基準のイチゴを栽培できるという。同社はイチゴ生産への新規参入者を増やし、町を「ミガキイチゴ」ブランドの一大産出拠点にする大きな夢を掲げている。

 「震災後に深刻な人口流出が進んでいる町は、下りのエスカレーターのよう。町が成長するためには、その下りのエスカレーターを駆け上がっていくスピードが必要なんです」と、塔本さん。イチゴビジネスを手がける若き企業が、町の復興の鍵を握っている。
(安藤歩美/THE EAST TIMES)

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最終更新:2018/10/4(木) 17:50
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