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ギリシャデフォルトで世界経済への影響は?

2015/7/1(水) 12:04配信

THE PAGE

 EU(欧州連合)とECB(欧州中央銀行)がギリシャ支援の延長拒否を決定したことで、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がさらに高くなってきました。欧州経済や世界経済への影響はどの程度あるのでしょうか。

 ギリシャはIMFに対する15億ユーロの支払期限が6月末に迫っていたため、EU各国と金融支援の延長について交渉していました。一時は妥結の可能性が見えていましたが、ギリシャ側が、EUが求める財政改革案について国民投票にかけたいと主張したことで交渉が停滞してしまいます。国民投票までの一種の時間稼ぎと思われますが、EU側はそれでは交渉が振り出しに戻ってしまうことから、この提案を拒否。6月27日に開催されたEUの財務相会合は最終的に、金融支援の延長を認めないという決断を下してしまいました。

 この決定を受けてECB(欧州中央銀行)も動きました。ECBはこれまで上限を900億ユーロ(約12兆円)とする資金供給を続けていたのですが、同28日の理事会では、上限額を変更しないことを決定しました。上限額に変更がないということは、このまま金融不安が続いてギリシャ国内の資金が不足しても、ギリシャを追加支援することはないということを意味しています。

 ギリシャ政府は預金の大量流出を防ぐため、同29日から銀行を休業させるという措置を行っています。ギリシャ政府としては5日に国民投票を実施し、その結果をもって再びEU側と交渉したいところですが、状況は流動的です。IMFでは、15億ユーロの返済分についてはとりあえず延滞として処理し、ただちにデフォルト宣言は行わないようですが、その後もECB向けの国債償還などが迫っているため、いつまでも時間稼ぎができるわけではありません。

 ただ、ギリシャが正式にデフォルトとなった場合でも、欧州経済に対する影響は限定的とみる市場関係者が多いようです。その理由は債権者の顔ぶれにあります。

 6月末の支払い分を含めて、ギリシャが8月末までに支払わなければならない債務は約100億ユーロほどですが、そのほとんどはECBとIMF向けとなっています。また、ギリシャが抱える負債の総額は3000億ユーロに達しますが、その多くが同様に公的機関向けです。

 欧州債務危機の発生をきっかけに、欧州各国は、危機管理システムの構築を進めてきました。民間向けの債務のほとんどは、公的機関向けに振り替えられており、これらの債権が回収不能になったとしても、欧州経済全体への影響はごくわずかということになります。

 もっともギリシャがデフォルトということになると、新興国の資金が国外に流出したり、米国の利上げがやりにくくなるなどの影響が出てきます。為替や株式市場にも影響があるでしょう。しかしながら、パニック的な危機が発生する可能性は極めて低いと考えてよさそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/14(日) 4:56
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