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「中国が超大国になる」と考える人の割合、日本は主要国で最低

2015/7/3(金) 6:00配信

THE PAGE

 中国の台頭に関する国際的な世論調査の結果が話題になっています。中国が超大国になると考える人は、主要各国では過半数を占めていますが、日本はわずか20%にとどまっています。これは何を意味しているのでしょうか。

 米国の調査機関であるピューリサーチセンターは、世界40カ国を対象に中国の台頭についてアンケート調査を行いました。この中で、中国は現在、あるいは将来、米国に取って代わる超大国になるか、という質問に対して、「そうなると思う」と答えた人は、米国が46%、フランスは66%、英国は59%、ドイツも59%でした(ちなみに中国は67%でした)。一方、同じ質問に対して「そうなると思う」と答えた日本人はわずか20%でした。これは主要各国の中では突出して低く、40カ国中でもベトナムの次に少ないという数字です。逆に「そうならないと思う」との回答は77%となっており、こちらは40カ国中、断トツのトップでした。日本人は中国のことを大国にはならないと考えているようです。

 日本の調査結果は、他の主要国と比べて大きな乖離がありますが、これは日本の外交や経済に大きな影響を与える可能性があります。

 アンケート結果を額面通りに受け取れば、諸外国は中国に対して大国になることを前提に、付き合い方を考えているということになります。一方、日本は中国が大国になるという前提には立っていないようです。実際、日本の中国に対する外交スタンスは親和的ではありませんし、欧米各国が行っているように、中国資本を積極的に国内に誘致しようという動きは見られません。基本的に中国と日本は利害が一致しないということが大前提と考えてよいでしょう。

 これに対して地理的な関係が薄い欧州各国は中国に対して友好的です。フランスは、国営企業を次々と中国企業に売却しており、中国マネーに対して強い期待感を持っています。米国は、アジア太平洋地域の軍事バランスにおいて中国と利害関係が一致しない部分があるものの、中国に対するスタンスは、かつての旧ソ連や現在のロシアとは完全に異なっています。毎年、米中戦略対話を実施していることからも分かるように、基本的に話し合うべき相手という認識を持っているようです。

 つまり、日本は諸外国とは基本的な方向性が逆向きということになります。多くの日本人が考えているように中国が大国になれなかった場合、中国と距離を置くスタンスを貫いたのは日本だけということになりますから、日本には大きな利益が転がり込んでくるでしょう。一方、中国が実際に超大国に成長した場合、日本は極めて不利な状況に追い込まれることになるかもしれません。

 中国に対する国民感情はともかく、相手が覇権国家になることを前提にするのとしないのとでは、大きな違いになります。隣国と上手に付き合っていくためには、リアリズムをベースにした冷静な判断が必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/6(土) 4:47
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