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中国株乱高下の背景に何がある? 政府による市場介入の是非

2015/7/16(木) 6:00配信

THE PAGE

 中国株が大幅下落の後、急上昇するという展開になっています。市場関係者の中には中国バブルの崩壊が始まったと指摘する人もいます。中国株の乱高下にはどのような背景があるのでしょうか。

 今回の中国株の上昇と下落は、非常に投機的なものであり、その意味では完全にバブルといってよいものです。上海総合指数は6月中旬に5000を突破し、実に7年ぶりの高値を記録しました。7年前といえばリーマンショック前の好景気がピークに達していた時期です。当時の中国経済は毎年、実質で10%以上の伸びが続いており、まさに驚異的な成長と呼ぶにふさわしい状況でした。その後、中国経済は急減速し、現在は7%成長をどのようにして維持するのかが課題となっています。大幅に経済成長のスピードが落ちているにもかかわらず、株価が10%成長当時の水準に匹敵しているわけですから、これは投機的な資金流入の結果と考えてよいでしょう。

 中国はこれまで過剰なインフラ投資で経済を支えてきたため、あちこちに歪みが出ています。中国のシャドーバンキングを含めた総融資残高はGDPの1.6倍に達しており、日本がバブル崩壊を経験した1990年前後を超える水準です。中国政府は日本のバブル崩壊をよく研究していますから、日本の轍を踏まないよう、何とかソフトランディングさせようとしています。

 このため中国政府は、株価が下落するたびに、金利の引き下げや不動産投資の活性化策を打ち出してきました。これらはある程度の効果を発揮してきたのですが、一部では政府の施策が効き過ぎるという弊害が出ています。経済全体の伸びが縮小しているにもかかわらず、政府によるテコ入れ策への期待から、不動産市場や株式市場に投機資金が流れ込んでしまうのです。上海総合指数がこの1年間で2.5倍に急騰したのは、個人投資家や事業会社による投機が原因といわれています。

 このような上昇相場が長く続くわけはなく、結局、上海総合指数はピークから3割も下落してしまいました。中国政府は、証券会社によるETF(上場投資信託)の買い支え、株式取引手数料の引き下げ、信用取引の規制緩和、IPOの抑制など、矢継ぎ早に株価対策を打ち出しており、とりあえずこれらの施策によって下落に一旦は歯止めがかかりました。しかし、長期的な経済トレンドを考えると、株価はまだ下がる可能性があり、政府の対策とのいたちごっこになるかもしれません。

 世界の主要市場において、政府による株式市場への介入を行っているのは日本と中国だけです。日本の過去の例からも分かるように、政府による株価対策は一時的な効果を発揮しますが、問題の解決を長引かせるという欠点があります。人為的な介入を繰り返す中国株の不調は今後もしばらく続くと考えた方がよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/9/16(水) 3:26
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