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アスリートに語学力は必要か

2015/7/19(日) 17:00配信

THE PAGE

 マインツの武藤嘉紀が入団会見でドイツ語のスピーチを行い、ヤンキースの田中将大の英語力向上なども話題になっているが、海外でプレーするアスリートにとって語学力は必要だろうか。

 以前取材した際に「必須」と体験談で語っていたのが、英語、イタリア語、フランス語など5か国語に堪能で語学に関する著書まである日本代表GKの川島永嗣だ。

「ゴールキーパーというポジションは、コミュニケーションがとれなければ成立しない。海外は競争が激しいし、そう実力が変わらないならコミュニケーションの取れる選手を選択するでしょう。海外でプレーするアスリートにとっては、語学を身につけないとせっかくのポテンシャルを発揮する機会を失うことにもなる」

 彼の場合、語学はすべて独学。海外映画やCNNなど海外ニュースを見ることから溶け込み、覚えた単語や表現をノートに丹念に書き込んで勉強するし、ネットの生中継を使った外国人教師との授業を受けていたこともある。オフには積極的に海外へ旅行して現地で語学に親しむ。ベルギー移籍後、フランス語圏のチームに移ってからフランス語も覚えた。現在の日本代表クラスで、最も語学に堪能な選手だ。

 川島以外にも、ミランの本田圭佑は英語にロシア語、最近ではイタリア語も勉強中で、フランクフルトの長谷部誠も、英語、ドイツ語を困らないレベルで喋っていて、代表でもキャプテンとして審判に英語で抗議している。

 過去を振り返ると、中田英寿氏が英語、イタリア語に堪能で、彼もチーム内での会話だけでなく、海外メディアに通訳を挟まずに応じていた。セリエ、スコティッシュプレミアリーグ、リーガの3か国でプレーした中村俊輔は語学が苦手だったが、戦術などの理解度を求められるサッカーの世界では、ほとんどの選手が語学取得に積極的。サウサンプトンでプレーしている吉田麻也も、海外メディアに英語で答えるまで独学で上達。「語学を学ばないのは海外でチャンスを失うも同然。何人かの日本人は(語学勉強を)怠けている」と発言している。

 記者会見も含めて英語で対応できる海外で活躍中のアスリートで有名なのは、中学時代からフロリダに移り住んだテニスの錦織圭、ゴルフでは宮里藍、石川遼がペラペラだし、五輪競技ではボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(現在プロ転向)が、意外と英語が達者。彼も英語教材を利用して英語を独学で勉強していた。

 一方、メジャーリーグの世界では、現在、英語で記者会見に対応できるような選手は少ない。ダルビッシュ有が、稀に英語で応対するくらいだ。イチローは、ヒヤリングを含めてメディア対応のできるレベルにあるそうだが、「細かいニュアンスに間違いがあってミスコミュニケーションを生みたくない」と、あえて通訳を挟んでいる。

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最終更新:2016/2/21(日) 3:00
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