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中国株下落で、なぜ日本が最も大きな影響を受けたのか?

2015/7/21(火) 7:00配信

THE PAGE

 中国株の大幅な下落は、世界各国の投資家をヒヤリとさせました。とりわけ、多くの企業が過去最高益を更新し、楽観ムードとなっていた日本の株式市場はちょっとしたショックとなってしまいました。

 日経平均株価は6月末には2万1000円目前まで迫っていましたが、中国株の影響を受け下落。中国市場における売買停止銘柄が半数に達した7月8日には日経平均株価は638円安と3%を超える下げを記録しました。同じ日、ドイツの株価指数(DAX)は若干の上昇、米国のダウ平均株価は1.5%程度しか下落していませんから、中国株の影響をもっとも受けたのは日本だったということになります。

 日本は地理的に中国に近いという要因はありますが、ドイツ企業は、中国市場で大きな利益を上げており、経済的な重要度という意味ではドイツと中国の関係も密接です。こうした状況をトータルに考えると、やはり日本市場の下落は突出して大きいと考えてよいでしょう。

 日本だけが外国市場の影響を大きく受けてしまうという要因のひとつに、日本市場の層の薄さがあります。他の先進国の株式市場は機関投資家による買いが市場の中で大きなポジションを占めています。機関投資家の多くは、短期的な視点ではなく、長期的な企業の成長に対して投資をしますから、多少市場が荒れても、一気に持ち株を売却するということはありません。

 しかし個人投資家や短期的な利ざやを稼ぐ投機筋は違います。最近では、日本株の上昇に伴って海外の機関投資家も日本市場に注目していますが、日本の株式市場の7割は依然として短期的な利ざやをかせぐ投資家によって占められています。中国市場はさらにその傾向が顕著で、売買のほとんどが、個人投資家もしくは投機的な売買を行う事業法人といわれています。このため一旦、下落傾向が顕著になると、皆が雪崩を打って売却に走ってしまい、株価は必要以上に下落してしまいます。市場の成熟度が高いほど、何らかのショックがあった時の下落幅は小さくなると考えてよいでしょう。日本市場より米国市場の下落幅が小さかったのはある意味で当然のことなのです。

 このような状況はリーマンショック後の株式市場でも見られました。リーマンショックは米国が震源地であり、その後、欧州債務危機の引き金を引くことになりました。経済的には米国と欧州への影響が大きかったはずなのですが、株式市場に対する影響は米国が最も少なく、次に欧州となり、先進国でもっとも深刻な打撃を受けたのは、リーマンショックとは無縁なはずの日本市場でした。

 今回の中国株ショックは、世界経済に及ぼす影響は限定的というのが市場関係者の一般的な見方ですが、日本市場にはこうした特殊性があることは頭に入れておいた方がよいでしょう。ちょっとしたショックでも大きく下落する可能性が高いことを前提に投資を進めていく必要がありそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/23(火) 4:15
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