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利益水増し問題で揺れる東芝に「上場廃止」の可能性はあるか?

2015/7/24(金) 7:00配信

THE PAGE

 東京証券取引所は、利益水増し問題で揺れる東芝について「特設注意市場銘柄」への指定を検討しています。上場廃止は免れる可能性が高いといわれていますが、上場を維持するか、廃止するのかについては、どのような基準が定められているのでしょうか。

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「特設注意市場銘柄」とは?

 「特設注意市場銘柄」は、上場を維持しつつ、内部管理体制の改善を求めるというもので、上場廃止とは直接関係しません。対象銘柄に指定された企業は、定期的に東証に対して改善報告書を提出する必要がありますが、1年間は通常通り取引することができます。

 東芝は利益水増しについて「不適切会計」と表現しており、多くの報道もそれにならっていますが、会計上は不正会計であり、株式市場のルールでは有価証券報告書の虚偽記載に該当する可能性があります。

 上場廃止については2013年に制度改正が行われており、虚偽記載を行った企業の取り扱いが大きく変わっています。以前は、虚偽記載が発覚した際には、その企業は「監理銘柄」に指定され、上場廃止について検討が行われることになっていました。つまり虚偽記載は即、上場廃止につながる可能性があったわけです。しかし制度改正後は、監理銘柄に指定するのではなく「特設注意市場銘柄」に指定し、企業が自主的に状況を改善することを待つというスタンスに変更となっています。

東証の上場廃止基準はどうなっている?

 東証の上場廃止基準では、虚偽記載の場合「直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難である」場合以外には上場を維持してもよいことになっています。「市場の秩序が維持できない」ほどの虚偽記載というのはそうそうあり得ませんから、実質的に虚偽記載で上場廃止になることはないという理解になります。

 上場廃止基準が大幅に緩められた背景にはオリンパスの粉飾会計事件があるといわれています。オリンパスは2011年、粉飾会計が発覚し、前社長らが逮捕される事態となりました。たまたまオリンパスは上場を維持することができましたが、こうしたスキャンダルが表面化するたびに、大企業の上場廃止が取り沙汰されてしまうと、いろいろなところに影響が及びます。はっきりとした理由は明らかではありませんが、こうした事情を鑑み、上場廃止の基準を緩くしたという指摘があります。

 今回の東芝の利益水増しは、広範囲にわたるものであり、投資とM&A(企業の合併・買収)部分に限定されていたオリンパスのケースよりも大規模かつ悪質と見ることもできます。仮に上場廃止は免れたとしても、今回の問題は日本の株式市場に対する信頼を確実に低下させることになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/24(水) 4:46
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