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ギリシャ、中国一段落で市場の焦点は米国の利上げに 市場への影響は?

2015/7/27(月) 10:00配信

THE PAGE

 根本的な解決には程遠いものの、ギリシャ問題と中国株の下落が一段落したことで、市場の焦点はいよいよ米国の利上げに移ってきました。果たして米国の利上げはあるのでしょうか。また市場に対してはどのような影響があるのでしょうか。

 FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は15日、米下院での議会証言を行い「今年中に利上げを行うのが適切」と述べ、あらためて年内に利上げに踏み切る方針であることを明確にしました。市場では、ギリシャ問題などで世界経済の不透明感が高まっており、利上げは来年以降に引き延ばすべきという意見も出ていましたが、イエレン議長の発言はこうした声を一蹴した形です。

 米国経済は、厳冬の影響などで1~3月期は予想外の落ち込みとなりましたが、基本的には順調な回復を続けています。米国では毎月20万人以上の新規雇用があると好景気と見なされますが、5月、6月と2カ月連続で20万人超えとなりました。失業率も再び低下しており、最新の統計では5.3%となっています。原油安が続いていることから物価の上昇ペースは鈍化していますが、FRBでは一時的なものと判断しているようです。変動の大きいエネルギーと食品を除いた物価指数(コア指数)は1.8%の上昇となっており、目標の2%までもうすぐというところまで来ています。

 心配されるのはドル高ですが、これも見方によっては別の解釈が可能です。一般的にドル高は米国の輸入物価を下落させ、ひいては全体の物価上昇を抑える働きをします。つまり、ドル高には、金利上昇による金融引き締めと同じ効果があるわけです。

 FRBが年内に利上げを実施する可能性が高いということから、市場ではドルを買う動きが進んでいました。ドル高と利上げが同義ということであれば、ドル高の進展は、実質的に金利上昇が始まったことと同じになります。今のところドル高によって景気が腰折れするという状況にはなっていませんから、名目上の金利が上がっても、状況はそれほど大きく変わらないでしょう。

 そうだとするならば、FRBは年内にごくわずかな水準だけ利上げを行い、その後、かなりゆっくりとしたペースで利上げを継続するというシナリオを選択する可能性が高くなってきます。新興国などから急激に資金流出するようなことがなければ、世界経済は安定的に推移することでしょう。緩やかな円安ドル高傾向は、日本の株式市場にとってもプラスですから、日本経済への影響も限定的と考えられます。ただ輸入物価は上昇傾向を強めますから、生活実感はさらに苦しくなるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/8/27(木) 2:48
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