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来年度予算編成始まる。財政再建の道筋はつけられるのか

2015/7/28(火) 6:00配信

THE PAGE

 政府は24日、2016年度予算の概算要求基準を閣議了解しました。これから年末にかけて、霞が関では予算編成作業が本格化することになります。

 現在、政府は2020年までに基礎的財政収支を黒字化するという目標を掲げています。しかし、具体的な財政再建の進め方については、財政規律を重視する立場と、景気対策を優先する立場との間で意見対立があり、政府内部でも明確な方向性が定まっていません。今回、閣議了解された概算要求基準でもこうした状況が浮き彫りになっています。

 政府の予算は、8月末に各省が概算要求を提出し、財務省がこれを査定する形で編成作業が進められます。概算要求基準とは、各省が予算要求する際の基本ルールで、以前はここに歳出の上限が示されていました。上限を示すことで、際限のない予算拡大を防ぐことが目的です。

 しかし、安倍政権の成立以後、予算編成の進め方が変わり、通常の要求枠に加えて「新しい日本のための優先課題推進枠」という特別枠が設定されました。これは消費増税を控え、税収見通しを確定できない中で予算編成を実施するための暫定措置として適用されたものですが、消費増税の決定後もこれが継続しており、要求額が肥大化しやすい状況が続いています。

 財務省は、歳出の削減を強く求めており、昨年の予算編成では、社会保障費と防衛費を除くほぼすべての項目が前年度比マイナス査定となりました。来年度についても、最大の支出項目である社会保障費の伸びを抑制すると同時に、大幅な歳出削減を進めたい意向です。

 一方、政府内部には、公共事業などを増額し景気回復を優先させた方が、結果的に税収が増え、財政再建を達成しやすくなるという意見もあります。先月末に策定された経済財政運営の基本方針「骨太の方針」では、こうした声を反映し、焦点となっていた歳出上限は盛り込まれませんでした。

 内閣府が示した最新の中長期財政試算では、景気回復による税収の上振れで、2020年度における基礎的財政収支の赤字額が前回の試算より3.2兆円ほど改善しています。景気回復には、税収を大幅に増やす効果がありますが、税収増だけで2020年度の黒字化を達成するのはかなり難しいというのが現実です。黒字化目標を達成するためには、一定以上の歳出削減が必須の状況といってよいでしょう。明確な財政再建の道筋をつけられるのか、2016年度予算はその大きな分かれ道となりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/30(水) 4:34
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