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嵐・櫻井パパが就任する事務次官とは? 早稲田塾講師・坂東太郎の時事用語

THE PAGE 2015/7/29(水) 17:40配信

 人気アイドルグループ「嵐」のメンバー、櫻井翔さんの父親である櫻井俊・総務審議官が同省の事務次官に起用される人事が28日、正式発表されました。「事務次官」は、名前に「次官」と付きますが、ニュースではよく「官僚トップ」と紹介されます。実際にどれくらい偉くて、なるのはどれくらい難しいのか、改めて考えていきましょう。

小泉進次郎氏が起用された 「政務官」ってどんなポストなの?

事務次官はどれくらい偉いの?

 櫻井俊氏は東大卒。国家公務員上級甲種試験(後に1種。現在は総合職)に合格し1977年に旧郵政省に入りました。上級甲合格者はいわゆる「キャリア官僚」と呼ばれる国家公務員の上位層の大半を占めます。課長、局長と出世の階段を上り、事務次官へと就任する運びとなりました。

 各省の組織をおおまかに分類すると
(1)大臣・副大臣・政務官
(2)大臣官房
(3)局
となります。

 うち(1)はほぼ選挙で選ばれた政治家で、省のワン・ツー・スリーです。(2)の大臣官房は企業で総務部とか社長室とか呼ばれる地位を占め、他の局より格上です。その中で公務員全員のトップとなるのが事務次官で、官僚の出世コースの最高到達点です。もちろん上には(1)が存在し、省での順番は4番目であるものの、キャリア・ノンキャリアを含めた専門家集団である国家公務員の総束ね役で、いわゆる「事務方」の最終決定権者といっていいでしょう。言い換えるとそれより上を望めば官房副長官を除いて国政選挙に立候補し政治家になるしかありません。まれに民間人を首相が(1)に選ぶ場合もありますが近年では珍しいです。

 形式的には(1)を補佐し、助言するのが事務次官。ただし局長レベル以下のプロフェッショナル集団の意見をまとめて企画立案する頂点でもあるので、その威信は大臣以上とも目されています。

 なお外局がある場合はそこの長官が事務次官に次ぐ地位となるのが慣例です。総務省の場だと消防庁長官が該当します。

 「事務次官が官僚トップ」と言い切れないのが外務省と法務省です。外務省はその上にアメリカ大使や国連大使などの役職があります。法務省は国家公務員試験合格者の官僚より司法試験合格者の検察官が重きを置く例外的官庁で、事務次官より先に、最高検察庁次長→大阪高等検察長検事長→東京高等検察長検事長→検事総長、という道のりがあります。外務省の有力国大使や検事総長は必ずしも事務次官経験者とは限りません。

 現在、日本の国会で可決成立する法律の大半が内閣提出法案(閣法)です。閣法の全体像から各所に至る文言の配置、整合性などのほとんどを事務方が行うため、その最上位にいる事務次官は法案を通した政策に最後の判断をする役割もあります。

 ところで省庁のなかで総務省とはどのような位置にあるのでしょうか。よく指標とされているのがいわゆる「建制順」(けんせいじゅん)です。国家行政組織法の「別表第一」に示されています(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO120.html)。それによると総務省は序列1位。総務事務次官が大変なエリートであるとわかります。

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最終更新:2016/2/7(日) 2:37

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