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TPP合意が先送りに これからの見通しは?

2015/8/4(火) 6:00配信

THE PAGE

 ハワイで行われていた環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の閣僚会合ですが、合意が先送りとなってしまいました。8月中にも会合を再開するとしていますが、場合によってはTPPが成立しないということも考えられます。

 今回の閣僚会合では、最終合意に達する可能性が高いと予想されていました。その理由は、米国議会が6月に大統領貿易促進権限(TPA)を可決したからです。米国は議会の権限が強く、通商協定についても個別に修正する権限を持っています。TPAは、議会が持つ権限を大統領に一任する法律で、これが成立すると大統領は交渉を進めやすくなります。大胆な譲歩も可能となることから、閣僚会合での最終合意が期待されていたわけです。

 TPPでは、すべての品目について関税を撤廃することが基本原則ですが、日本側はコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖を「重要5項目」とし、関税撤廃の例外にしたい方針を掲げています。これに対して米国は、すべての分野における関税撤廃を要求しています。TPAの成立によって関税の問題が日米間で解決すれば、TPPは妥結に向かうと思われていました。

 しかし、実際に閣僚会合が始まると予想した通りには進みませんでした。新薬の開発データ保護期間や乳製品の市場開放などで調整が進まず、農産物に関する日米交渉を行う前に、全体の交渉が頓挫してしまったのです。

 特に乳製品については、ニュージーランドが市場開放を強く求めており、日本はこれに強く反発しています。ニュージーランドは米国に対しても、新薬データ保護期間の短縮を強く求めています。TPP交渉では、日本が市場開放に消極的で米国が積極的という図式ですが、自由貿易をこれまで積極的に推進してきたニュージーランドは、米国よりもさらに積極的で、米国との調整も進まない状態になってしまったわけです。

 甘利経財相は、8月中の開催を検討している次の会合で決着できるとの見通しを示していますが、現実には難しそうです。米国のTPAでは、大統領が署名する90日前までに議会に通告する必要があると規定しており、仮に8月に合意しても、年内に議会で批准するのは困難です。

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最終更新:2016/2/22(月) 4:29
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