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安倍首相の戦後70年談話、改めてどんな内容だった?

2015/8/17(月) 18:47配信

THE PAGE

 安倍首相が戦後70年談話を発表しました。当初は歴史認識をめぐってこれまでの談話と異なる内容にするともいわれていましたが、最終的には「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」など、過去の談話で用いられた言葉が踏襲される形に落ち着きました。

 談話では「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」とし、歴代内閣の立場をそのまま引き継いだことを明確にしました。「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」として、過去に侵略を行ったと認める内容になっています。

 また中国などに対しては「戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません」とし、日本に対して寛容であったことについて感謝の意を表明しています。

 野党の一部は「お詫び」といった言葉が引用という形で使われている点を指摘し、加害者責任が明確ではないとして批判しています。ただ、諸外国は、歴代内閣の立場が継承されたことについて一定の評価を下しているようで、今のところ海外から目立った批判は出ていません。

 当初、安倍首相は「お詫び」や「侵略」という言葉は使わない方針だったといわれています。しかし、安倍政権の支持率が急低下していることや、自民党内の一部、さらには連立を組む公明党からも異論が出たことを考慮し、最終的に歴代内閣の立場を継承する形に落ち着きました。

 真偽の程は定かではありませんが、一部報道によると、戦没者追悼式における天皇陛下のお言葉も大きく影響したといわれています。天皇陛下は、毎年8月15日にお言葉を述べられていますが、今年はその中に「さきの大戦に対する深い反省」という文言が初めて盛り込まれました。

 このほか、目新しい部分としては、日本が進路を誤ったことを明確にしたという点があげられます。当時、超大国として台頭しつつあった米国は、「民族自決」という概念を打ち出し、大国によるこれ以上の植民地拡大を禁止すべきという主張を行いました。各国はこれに従いましたが、日本だけが米国と真っ向から対立し、各国からの警告を無視する形で中国大陸への進出を強行しました。これが最終的に太平洋戦争の引き金になったといわれています。

 談話では「日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました」と述べており、国際情勢を理解できず、全世界を敵に回してしまったことを認めています。こうした見解は、村山談話や小泉談話には盛り込まれていなかった新しい視点といえるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/20(水) 4:05
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