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社長さんが好きな街は田園調布から赤坂に。でもどうして?

2015/8/27(木) 6:00配信

THE PAGE

 これまで社長さんが大好きな街といえば、田園調布や成城でしたが、最近はその傾向が大きく変化しています。郊外の高級住宅地の人気が低下する一方、都心の人気はさらに高まっているようです。このデータはあくまで経営者に的を絞ったものですが、背景には人口減少や社会構造の変化といった要因がありそうです。

東京の社長が住む街、人気ナンバー1は、どこの街?

 この調査は東京商工リサーチが実施したもので、全国267万社の中で社長が住む街をランキングしたものです。トップとなったのは東京都港区赤坂、2位は東京都渋谷区代々木、3位は東京都新宿区西新宿でした。一方、かつてはランキングの上位を独占していた田園調布は18位、成城は13位でした。田園調布は前回の調査では6位、成城は7位でしたから急落といってよいでしょう。

 赤坂と西新宿が上位になっているのは、オフィス街に隣接しており、職住接近が実現しやすいことに加え、両地域では大規模なタワーマンションの開発が活発だったことも影響していると思われます。都心では大規模なマンション開発が継続しており、他地域からの転入が目立ちます。

 一方、郊外でイメージが良く、これまで物件を売る人があまりいなかった地域では、戸建ての売り物が増えています。今回の調査は社長に限定したものですが、経営者に限らず、郊外の戸建て物件を処分して、より利便性の高い都市部へ移動する人が増えている状況が推察されます。

 こうした状況の背景にあるのは、おそらく高齢化と人口減少でしょう。人口が減ってくると、利便性の高い場所に住居や店舗を集約した方が、効率がよくなってきます。最近では、家電量販店や大型スーパーなど郊外立地が当たり前であった業態も、都市部への出店を強化しているくらいです。

 このため、都市部の地価は高騰していますが、反対に郊外の地価は下がり気味です。経営者はそれなりの経済力がありますから、単なる転居ではなく、自己居住用の不動産を、価値が下がりにくい都市部の物件に乗り換えるという投資の側面もあると考えられます。

 一方、これとは逆の動きも見られます。2014年における東京都区部の転出入は転入超過となっており、基本的に人は増えているのですが、60歳以上の高齢者に限っては、逆に千葉県や埼玉県など近隣の県に転出する人が目立ちます。都心部では、経済的理由で高齢者向け施設に入れず、高齢化に伴って郊外に転居していることが原因です。

 今年6月、元総務大臣の増田寛也氏を座長とする民間有識者団体が、首都圏における介護施設の不足を解消することや地方創生の観点から、首都圏から地方に積極的に高齢者を移住させる必要があるとの提言をまとめ、大きな話題となりました。

 人口減少社会では、都市部に人が集約されてくるのはある意味で自然な流れです。それに伴う各種の影響をどのように緩和していくのか、そろそろ本格的な議論が必要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/28(土) 4:36
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