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<ラグビー>選手に動揺なし? エディHCの今大会限り辞任発表の賛否。

2015/8/28(金) 11:00配信

THE PAGE

 日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)が、9月からのワールドカップイングランド大会終了後に辞任する。4年に1度の大舞台を1か月後に控えたなか、日本ラグビー協会の坂本典幸専務理事が会見で発表した。

 宮崎で合宿中だった当の本人も、事実と認めたようだ。かねて、南半球最高峰リーグであるスーパーラグビーのストマーズから指揮官就任のオファーを受けていた。来季から同リーグに参加する日本拠点チームの強化責任者にも就任していたが、その職も辞す。発表のタイミングをこの時期とした理由については、坂本専務理事が「エディーさんの方から『新しいチャレンジがしたい』ということで、お受けしたということ」と言葉を濁すのみだ。

 各報道機関では、このニュースは「チームに激震」といった論調で描かれた。気の早い新聞は、ヤマハの清宮克幸監督を次期指揮官候補として紹介。清宮監督自身もメディアを通し、今回の辞任発表の仕方に苦言を呈していた。さらに、SNS上でも感情的な意見が重なっている。一時はジャパンを世界ランク9位に押し上げたジョーンズHCは、ファンからの支持率も高い。それだけに、この報せへの落胆や動揺を表す投稿は後を絶たない。

 もっとも実相は、違う色をなしている。このほど、公式発表の数時間前に通達がなされた選手のうち6名が「指揮官辞任の影響」に関する直撃取材に応じた。一様に「周りの人が思うほど、ではないですね」と話していた。2大会連続のワールドカップ出場を目指すトンガ出身のナンバーエイト、ホラニ龍コリニアシもそうだ。

「俺らは目の前のワールドカップしか頭になくて、この4年間、エディーさんと一緒にやってきたことを出すだけ。その後のことはエディーさんの人生の判断なので、僕らには関係ないです」

 ドライに聞こえるだろうか。ただ、紛れもなく、ジョーンズHCは日本協会に代表チームの強化を請われた職業指導者である。

「(プロとは)仕事を完璧にやろうとする人のこと」(某ドキュメンタリー番組で発言)

 選手に連日早朝からの練習を課したことも、機動力を活かしたラグビースタイルを浸透させたことも、ボスの職業倫理の現れだ。スーパーラグビーのクラブとプロ契約を交わす選手も多い現体制下では、その常識が息づいている。

 センターやウイングをこなす松島幸太朗も、今回の件は「僕からすれば普通」と即答する。今季プレーしたスーパーラグビーのワラターズでも、指揮官であるマイケル・チェイカ現オーストラリア代表HCの辞任がかなり前から決まっていた。桐蔭学園高卒業後に入ったスーパーラグビーのシャークスの育成機関でも、似たような状況を経験したという。だから松島は、こうも続けた。

「プロコーチには人生がある。仕方のないことです。それに知らされる前に海外のニュースで何となくわかってもいたので…」

 そもそもいまのジャパンには、ジョーンズHCの連日のだめ出しから離脱を申し出て、時を経て復帰を果たした人もいる。指導者と選手の間柄は「一蓮托生」というよりも、壮大なプロジェクトに挑むビジネスパートナー同士といった雰囲気だ。もちろん、ワールドカップで8強入りというプロジェクトを遂行させるには「一蓮托生」の趣も必要で、それもスクラムハーフの田中史朗は「この大会は本当に成功させたい。疑いの心を持っていたら、チームとして成り立たない」と気付いているのだが…。

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最終更新:2015/12/30(水) 4:50
THE PAGE

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