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公的年金株買い入れ上限迫る、株価はどうなる?

2015/9/7(月) 9:26配信

THE PAGE

 これまで株高の原動力となってきた公的年金の買い余力がなくなりつつあります。企業業績はとりあえず堅調ですが、ここからさらに積極的に買い上がる投資家がいないと、株価の急激な回復は難しいかもしれません。

 安倍政権成立以降、日本の株価は順調に上昇してきました。その要因のひとつが、公的年金による積極的な買いです。日本の公的年金は運用資金が140兆円に達しており、世界でも最大級の投資ファンドです。これまで公的年金は国債中心の手堅い運用でしたが、安倍政権はこの抜本的な見直しに着手し、国債中心から株式中心へとポートフォリオを大幅に変更しました。

 昨年秋に取りまとめられた運用方針では、国内株の比率は12%から25%に一気に引き上げられています。全体の運用資金が140兆円もありますから、この変更だけで数兆円の資金が株式市場に流れこんだといわれています。これまでちょっとした株価下落に見舞われても大きく値を下げなかったのは、公的年金が積極的に買い支えていたからです。

 ところが、公的年金はこれ以上株式を購入するのが難しくなっています。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月27日、4~6月期の運用実績を発表したのですが、株式の組み入れ比率が約23%となっており、目標の25%にかなり近づいていることが判明しました。ルール上はさらに株式の組み入れ比率を上げることは可能ですが、とりあえずの目標値に近づいたことで、従来のようなペースでは株式の購入は行われない可能性が高くなっています。

 中国株ショックで株式市場は荒れましたが、中国の景気減速は以前から分かっていたことであり、企業活動が大幅に縮小しているというわけではありません。来年3月期についても、業績が拡大する企業が多いと予想されています。

 しかし、株価は業績予想だけで決まるものではありません。業績予想が変わらなくても、売る人が多く、買う人が少なければ株価は下がってしまいます。これを需給要因と呼びます。

 市場では、公的年金に続いて、国家公務員共済や地方公務員共済が株式シフトを進めていくことや、日本郵政グループによる運用の強化、さらには大型の補正予算や追加緩和を期待する声が出始めています。こうした株価対策が打ち出されれば、株価はもう一段の上昇が期待できるかもしれません。しかし、目立った策が講じられない場合、公的年金の買いが縮小するという需給要因によって、株価はしばらく低迷することになるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/25(月) 3:36
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