ここから本文です

シャープ、結局液晶売却? 鴻海との交渉決裂は何だったのか?

2015/9/11(金) 6:00配信

THE PAGE

 経営再建中のシャープが、主力の液晶事業の売却を検討しているようです。同社では具体的にどこかの企業と交渉に入った事実はないとしていますが、日の丸ディスプレイ企業であるジャパンディスプレイや台湾の鴻海精密工業などの名前が挙がっています。

 シャープの経営危機の原因は、現在、同社の主力事業となっている液晶に対する過剰投資です。同社はもともと電卓や家電を中心とする電機メーカーでしたが、2000年頃から本格的に液晶事業への転換を図り、数兆円ともいわれる資金を投入。液晶パネルの生産ラインを大幅に拡大しました。しかし、その間に液晶デバイスのコモディティ化が進み、価格は一気に下落。巨額の設備投資負担に耐えきれなくなり、とうとう同社は経営危機となりました。

 当初は、鴻海がシャープに出資し、資金面での支援を行うという話が進んでいましたが、当時の経営陣は鴻海が求めるリストラ策を拒否。結局、鴻海による支援は実現しませんでした。その後、シャープは減資や優先株の発行を行い、銀行主導での再建を目指していましたが、経営状態は一向に改善していません。当初、同社は液晶事業の立て直しによって全体の収益を拡大させる方針を示していましたが、2015年4~6月期の決算では、肝心の液晶パネル事業が不振となり340億円の赤字を計上しました。多くの利益を稼ぎ出すと見込んでいた主力事業がこの状況ですから、経営陣の見通しはあまりにもお粗末です。

 最終的に浮上してきたのが、主力の液晶事業を分社化し、連結対象から外すという今回のスキームです。具体的には、日本政府の支援で設立されたジャパンディスプレイや、前回資本提携が実現しなかった鴻海といった名前が出ていますが、これは事実上、液晶事業からの撤退ということを意味します。

 シャープの経営危機の元凶は液晶に対する過剰な投資ですから、液晶事業が分離されれば、同社は自力で再建することが可能となるかもしれません。ただ、最大の問題は、いくらで液晶事業を売却するのかです。買い受ける側は儲からないことが分かっている事業を引き受けるわけですから、相当な安値を要求することになります。しかし、シャープ側としては液晶への過剰投資で生じた1兆6000億円にものぼる負債の圧縮が必要であり、できるだけ高く売りたいところでしょう。価格の折り合いを付けるのは難しいと思われます。

 同社は液晶事業分社化の検討と平行して、本社ビルの売却や管理職を半減させるリストラ策なども進めています。もし同社が、もっと早い段階で鴻海との提携など抜本的な手を打っていれば、ここまで追い込まれることはなかったかもしれません。目の前のごくわずかなリストラを忌避した結果が、主力事業の売却とさらに大規模なリストラだったというのは、あまりにも皮肉な結果です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/13(土) 3:13
THE PAGE