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三菱地所の日経締め出し騒動に見る、企業とマスコミの関係

2015/9/14(月) 7:00配信

THE PAGE

 三菱地所が、記者会見の会場から日本経済新聞の記者を締め出したことがネットで話題になっています。一連の騒動は企業とマスコミの関係を考えるよいきっかけになるでしょう。

 ことの発端は、8月29日に日本経済新聞が報道した、東京駅前の超高層ビルの開発計画に関する記事です。三菱地所はマスコミ各社に対して、正式な発表まで待つように要請していたにもかかわらず、日経は他社に先駆けて報道しました。三菱地所はこれに抗議して日経の記者を締め出したようです。

 三菱地所と日経との間で事前にどのようなやり取りがあったのかは分かりませんが、正式発表まで報道しないで欲しいという要請を日経側が無視したというのは事実と思われます。

 原理原則から言えば、マスコミ側は何を報道しようが自由ですから、基本的に企業側がマスコミに対して報道内容や時期について制限を加えることはできません。ただ報道の現場では、企業側とマスコミ側で報道する時期について紳士協定のようなものを結ぶケースはよく見られます。

 協定を守ってくれるマスコミには事前に詳しい情報を出し、そうでないマスコミには情報を出さないことで、企業側は自社に都合のよい記事を書いてもらえるという効果がありますし、マスコミ側にも、苦労せずに詳しい情報を入手できるというメリットがあります。こうした協定については、特定マスコミだけを優遇するとして批判する声もありますが、現実にはかなり幅広く行われているとみてよいでしょう。

 三菱地所としては、約束を破ったので入場を控えてもらったというスタンスのようですが、報道の現場では様々な噂が流れています。中には日経に最初に書いてもらうために、あえて協定破りというスタイルを演出したというものまであるようです。

 真偽の程は定かではありませんが、どのような形であれ、特定マスコミにだけ情報を提供するというやり方は、時代に合わなくなっています。一方で、企業にしてみれば、日本の大手マスコミは社会に対して絶大な影響力を持っているため、無視できないという現実があります。ネットで取り上げられるテーマのほとんどがテレビや新聞からの流用であり、テレビや新聞で取り上げられるとリアルでもネットでも大きな反響があります。

 結局のところ、多くの日本人がネットよりもテレビや新聞を重視しているため、企業側は何とか大手マスコミをコントロールしようとしますし、マスコミ側もこれを利用しています。企業とマスコミの関係をフラットに出来るのかどうかは、最終的に読者や視聴者のリテラシーにかかっているのです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/17(木) 4:42
THE PAGE