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なぜ阪神は「9月失速病」を克服できないのか?

2015/9/14(月) 12:00配信

THE PAGE

 阪神の「9月失速病」が、また出てきた。10日の巨人戦からひとつの引き分けを挟んで3連敗。9月のチーム戦績が4勝5敗となり、負けがひとつ上回った。昨年も、9月5日に中日の山本昌に勝ちをつけた試合から、中日、巨人に6連敗して優勝争いから離脱。9月を12勝13敗とひとつ負け越し最終的には2位でレギュラーシーズンを終えた。CSを勝ち抜いて阪神ファンは溜飲を下げたが、2013年には、9月に6勝16敗と大敗して結果2位。Bクラスに終わった2012年も、9月に11勝12敗と星を延ばせなかった。

 2008年の岡田彰布監督時代に13ゲーム差を9、10月に巨人にひっくり返されてから「9月失速病」がスッカリと阪神のカラーのようになってしまったが、なぜ阪神は9月に弱いのだろうか。和田監督は、2年前から「9月に勝てるチーム体力をつけたい」と語っているが、チーム体力とは何なのだろうか。

 阪神の「9月失速病」の原因について、いくつかの仮説を立ててみた。

1.プレッシャー説

 9月失速の理由のひとつとして考えられるのが、プレッシャー説だ。優勝争いのプレッシャーの中で生まれる緊張や力みから普段のプレーができない。時には、「大事にいこう」と思う余り、逆に考えられないようなボーンヘッドを犯すというケース。9日の巨人戦で先発の藤浪が4回二死一、三塁で、小林のバットをへし折ってピッチャーゴロに打ち取ったが、一塁へゴメスがジャンプして手を伸ばしても届かないところへ悪送球して同点にしてしまった。これなど「大事にいこう」のプレシャー心理が逆に働いたのだろう。送球方向へステップを踏み、正確に送球するという基本を完全に忘れてしまっていた。

2.疲労蓄積説

 ここまでの疲労の蓄積や、個々がもっている故障箇所の悪化などで、バッターもピッチャーも、そのメカニックになんらかの異常を発生するパターン。バッターはスイングが鈍くなり、ピッチャーはボールのキレや球威がガクンと落ちる。疲労蓄積は、メンタルの疲労というものもある。マートンがまたストライク、ボールの判定に苦悩しはじめて、打てなくなったが、これなど、メンタル疲労からくる集中力の欠如の典型かもしれない。

3.リーダー不在説

 チーム内に真のリーダーが不在なため、優勝へ向けてチームが一丸と、ならなければならない時期にチームをまとめることができない。13日の広島戦では、0-1で迎えた7回二死一、三塁から、阪神はダブルスチールを仕掛けられ、手痛い2点目を献上してしまった。一塁ランナーがエルドレッドだけに注意すべきは、三塁走者だけで、キャッチャー鶴岡の送球を高宮がカットするサインプレーだったようだが、何を思ったか高宮は、かがんでグローブだけを伸ばして送球をスルー。鳥谷がカットに入ったが、もうホームは間に合わなかった。

 試合後、和田監督は「投手カット?そうだな。高宮は頭で理解していても体が反応しなかったのだろう」と語ったが、チームリーダーが、高宮がマウンドに上がってきた時点で、内野手とキャッチャーを集め「広島は、ダブルスチールを仕掛けてくるかもしれないが、その場合、ピッチャーがカットだぞ!」と確認をしておけば、打者を打ち取ることで、アップアップだった高宮も「送球カット」を頭にインプットできたに違いない。本来は、ベンチの仕事だが、こういうグラウンド内での細かいが大切な確認、準備事項をグラウンド内のリーダーが行えば、ミスは防げる。キャプテンの鳥谷の仕事だろうが……。また1点を献上した後、鶴岡が明らかに「俺はちゃんとやったのに」と不満気な表情を見せた。ああいう態度を叱責する声が、リーダーから飛ばないのも戦う集団になっていない証拠だ。

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最終更新:2016/1/16(土) 3:59
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