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日本の自動車メーカーは、グーグルの下請けになってしまうのか?

2015/9/15(火) 11:00配信

THE PAGE

 このところ自動運転車に関する動きが活発になっています。自動運転車では米グーグルが先行しているといわれますが、日本の自動車メーカーはどう対応するのでしょうか。

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グーグルは自前で工場を持たない方針

 経済産業省は2030年代の産業ビジョン策定にあたり、自動運転車の普及を前提に議論を進めていく方針を明らかにしました。政府も本格的に動き始めたということなのですが、現実はもっと早くやってくるかもしれません。

 自動運転で先行しているグーグルは、日本メディアの取材に対して、同社が開発中の自動運転車について、複数の日本企業と提携に向けた話し合いをしていることを明らかにしました。同社は自前では工場を持たない方針といわれ、日本メーカーに生産を委託するといった形が考えられます。自動運転車が普及すると、自動車の開発・製造よりも、自動運転の技術や関連インフラに産業の主導権が移ってしまいますから、もしグーグルの自動運転車が世界標準となった場合には、日本の自動車メーカーが事実上、グーグルの下請け企業になってしまう可能性が出てきたわけです。

日本メーカーも研究開発を推進

 もちろん日本メーカーも指をくわえて見ているわけではありません。トヨタ自動車は、マサチューセッツ工科大学(MIT)とスタンフォード大学の2大学と提携し、人工知能の研究開発を進めていく方針を明らかにしました。三菱自動車もシリコンバレーに拠点を設け、自動運転に関する基礎研究や情報収集を開始します。技術で先行している米国からノウハウを吸収したい意向と考えられます。

 日本勢の中にはトヨタなど独自に自動運転の技術を蓄積しているところもあり、最終的にどの仕様が世界標準となるのかは分かりません。しかし、日本勢はもともと自動車メーカーだということもあり、自動運転そのものの技術にこだわっています。これが吉と出ればよいのですが、場合によっては裏目に出る可能性もあります。

自動運転車は社会インフラ全体の問題

 現実の自動運転車は、社会インフラとの関連性が非常に密接です。ITを使って自動車をシェアリングする、駐車場の運営を最適化する、あるいは、電気自動車の充電設備とビルのエネルギーシステムを共通化して社会全体のエネルギー効率を向上させるといった応用が考えられます。グーグルなどIT系の先行企業は、自動運転の技術について、自動車単独ではなく、社会インフラ全体に関わるテーマとして捉えているようです。

 残念ながら日本勢は、社会インフラ全体の問題として自動運転車に対応するというところまでは至っていません。日本勢が自動運転車において重要なポジションを占めるためには、個別技術にとどまらない、より大きな枠組みの発想や取り組みが求められるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/27(水) 3:38
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