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安保法制の基本の「き」 何が変わる? 早稲田塾講師・坂東太郎の時事用語

2015/9/19(土) 12:00配信

THE PAGE

 安保関連法案が19日未明、参議院本会議で可決・成立しました。これを機に「どんな法律で、この改正によって何が変わる?」について改めてまとめてみます。もっともこの法制は11もの法律を2つにまとめたもので、すべての改正内容を細かくフォローすると膨大な文字数になってしまうし、そうした試みはマスコミでもネット上でも散々繰り広げられています。そこで「こんな説明では不十分だ」と叱られるのを覚悟の上で各論点ごとの「基本解説」を行っていきます。

【図】そもそも「安保関連法案」とは? 集団的自衛権をどう規定

◎集団的自衛権の行使

 集団的自衛権は日本が直接攻撃されていなくても日本と密接な関係がある国(アメリカなど)が武力攻撃を受けた時に武力で阻止する権利です。対置語が「個別的自衛権」で日本に対する武力攻撃を自らで阻む権利となります。

 したがって「限定」とはいえ集団的自衛権とは日本向けでない攻撃をされた米軍などの武力行使に加わる話となります。国連憲章51条に加盟国の権利として認められています。反対している人は主に憲法9条の「武力の行使」にあたり違憲と主張します。国連決議は不要です。

◎存立危機事態

 集団的自衛権が行使できるのはアメリカなど日本と密接な関係にある国が武力攻撃にさらされ、その結果日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態としています。他に「国民を守るために他に適当な手段がない」といった条件も加わります、「存立が脅かされ」「根底から」「明白な」あたりがあいまいで安倍晋三首相は再三にわたって「総合的に判断する」と述べるにとどまっています。一時期例示した中東ホルムズ海峡の機雷除去も後に「想定していない」と覆しています。

 これまでの周辺事態法を「重要影響事態法案」と名称変更し地理的な制約をなくしました。「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」が発生すれば米軍などの後方支援ができる内容です。「現に戦闘行為をしている現場」以外での行動で、弾薬の提供や戦闘に向かう航空機への給油などができるようになります。国会の事前承認なしでも行えます。

 つまり理論上は地球のどこでも派遣可能で、ドンパチやっている場所以外の後方支援となります。反対する人はいくら戦闘まっただなかでない地域だとしても安全とはいえず、アメリカの敵側からすれば日本の行為は戦闘参加に他ならず憲法違反としています。

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最終更新:2016/2/21(日) 2:52
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