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習近平主席が訪米終える、両国は当面「政冷経熱」

2015/10/2(金) 7:00配信

THE PAGE

 中国の習近平国家主席の7日間にわたる米国訪問の日程が終了しました。25日にはオバマ大統領との首脳会談が行われましたが、南シナ海問題やサイバー攻撃などの面で両国の隔たりは埋まらず、課題を残す結果となりました。一方、米国企業は、こぞって習氏を歓待し、大型の商談もまとまっています。今回の米国訪問は政冷経熱といった状況です。

 前回、2013年6月に習氏が米国を訪問した際には、カリフォルニア州のリゾート地が会場に設定され、夕食会も含めて合計8時間以上の会談がセットされました。会談内容は詳しく発表されていませんが、かなり密度の濃いやり取りが行われたといわれています。

 今回の米国訪問については、当初、米国側がかなりの期待を寄せていました。米国と中国は、双方を戦略的パートナーと認識していますが、中国によるサイバー攻撃や南シナ海問題について米国は懸念を表明している状況です。米国は今回の首脳会談をきっかけに中国が大幅に譲歩することを求めていたわけです。米国側の期待は、習氏を国賓待遇で出迎えていることからも分かります。

 しかし中国側は、サイバー攻撃について、あくまで被害者であることを強調し、譲歩の意思は示しませんでした。最終的には米中両国が「サイバー攻撃を実行、支援しない」という形で合意するにとどまっています。南シナ海問題についても同様で、オバマ氏が埋め立てに対して懸念を表明しましたが、習氏は「昔からの中国の領土である」と主張し、意見は最後まで噛み合いませんでした。

 一方、米国の財界は最大限の歓待で習氏をもてなしています。習氏は米国入りする際、ボーイング社に隣接する飛行場に専用機を着陸させ、同社から合計300億ドルの航空機を購入することを約束しました。一方、ボーイング社は同社の737型機の最終組み立て工程の一部を中国に移管することを発表しています。

 またマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は習氏を自宅に招いて直接もてなしたほか、アップルのクックCEOや著名投資家のウォーレン・バフェット氏、アマゾンCEOのベゾス氏など、財界の有力者の多くが習氏との会談を行いました。

 今回の会談によって、中国がどの範囲まで妥協する用意があるのか、よりはっきりしてきたと考えてよいでしょう。米国側も大きく妥協する可能性は今のところ低く、当面の間、政冷経熱の状況が続くことになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/3(木) 3:17
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