ここから本文です

保険加入率の大幅低下、やっぱり貧しくなっているから?

2015/10/7(水) 7:00配信

THE PAGE

 大の保険好きと言われる日本人の保険加入率が低下しています。保険に対する考え方が変わってきている可能性が指摘されていますが、一方で世帯収入の減少で保険に入る余裕がなくなっているという見方もできます。

 生命保険文化センターが3年ごとに行っている「生命保険に関する全国実態調査」によると、2015年における生命保険の世帯加入率は89.2%となり、前回調査よりも1.3ポイント低下しました。現在の調査方式にしてから90%を下回るのは初めてのことになります。

 55歳以上と29歳以下での加入率はあまり変わりませんが、30代から40代の加入者が減少しており、これが全体の加入率低下につながりました。かつては専業主婦の世帯が多く、男性は一家の大黒柱という位置付けでした。このため、多くの人があまり中身を吟味せず、当たり前のように保険に入っていました。

 しかし最近では、共働き世帯も増えてきており、必ずしも保険だけがリスクを回避する手段ではなくなってきました。40歳の日本人男性が1年以内に死亡する確率はわずか0.1%ですから、突然亡くなってしまうということはそうそうありません。ホリエモンこと堀江貴文氏のように「そもそも死亡保険が世の中に必要な商品とは思っていません」とドライに割り切っている人もいます。

 またこの調査には一般的な死亡保険だけでなく、年金型の保険も含まれています。20代の加入率が下がっていないのは、公的年金に対する不安が影響しているのかもしれません。そうだとすれば、一般的な死亡保険に対するニーズはさらに下がっているとみてよいでしょう。

 もっとも、こうした傾向は価値観の転換だけが原因ではない可能性があります。日本は相対的に貧しくなってきており、日本の世帯収入は年々減少しています。厚生労働省の国民生活基礎調査によると2000年の平均世帯収入は617万円でしたが、2013年は529万円となっています。

 ここまで年収が下がってしまうと、入りたくても保険に入れない人も出てくるでしょう。総務省の家計調査では、2000年の保険に対する支出は月あたり4万1800円でしたが、2014年には2万4400円まで減少しています。日本の世帯収入が大きく減っていることが、保険の加入状況にも影響を与えているようです。

 中身を吟味せずに保険に入る傾向は変わらないようで、68.6%の人が、保険について「ほとんど知識がない」と回答しています。保険は人生3大支出の一つですが、ほとんど知識がないのに加入しているというのはやはり問題です。家計が苦しくなっている今、保険の中身はより吟味した方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/7(土) 2:36
THE PAGE

Yahoo!ニュースからのお知らせ