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TPP大筋合意、どんな影響がある? 価格下落を期待する声も

2015/10/10(土) 7:00配信

THE PAGE

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が大筋合意となりました。国内では農業に対する影響が懸念される一方、消費者からは価格下落を期待する声も上がっているようです。TPPは国内の農業にどのような影響を与えるのでしょうか。

 今回の交渉で最大の焦点となっていたコメについては、1キロあたり341円という現行の関税は維持されることになりました。一方で米国向けには年間5万トン、オーストラリア向けには年間6000トンのあらたな無関税輸入枠が設定されます。この数字は年々拡大する予定となっており、13年目以降は、米国向けが7万トン、オーストラリア向けが8400トンになります。

 もっとも、日本はすでに年間77万トンを輸入枠として設定しており、13年目以降になっても、輸入枠が1割増加するに過ぎません。また日本のコメの生産総量は約850万トンですから、今回の合意によって増加する輸入米は全体の約1%です。数量ベースで考えれば影響は軽微とみてよいでしょう。牛肉や豚肉などと比較すると、かなり日本側に有利な内容となっており、コメ農家はもっとも保護された形となりました。

 ただ、価格が国産米の半分ともいわれるオーストラリア産のコメが流通すると、国産米も含めて価格が下落する可能性があります。消費者にとっては、輸入米のシェアがそれほど拡大せず、国産米の価格が下がることはメリットですが、一部の農家にとっては痛手となるかもしれません。政府は価格を維持するために、コメの買い上げを実施することを検討しています。

 コメと並んで注目度の高かった牛肉については、関税が大幅に引き下げられることになりました。現行の関税は38.5%ですが、協定発効時には27.5%となります。さらに段階的に関税は引き下げられ、10年目には20%に、16年目以降は9%になる予定です。関税が引き下げられれば牛肉の流通価格は確実に下がりますから、外食産業や消費者にはかなりの恩恵となるでしょう。安い輸入牛肉が入ってきても、高値で取引されている高級和牛への影響はほとんどないと考えられます。一方、価格で勝負している一般的な国産牛については、影響が大きいかもしれません。

 豚肉については、現行の「差額関税制度」は維持されることになりましたが、関税は大幅に引き下げられます。従来は、1キロあたり65円未満という極めて安い肉でも、482円の関税がかかることで、国内の流通価格はこの金額を上回るように設定されていました。しかし、今回の合意では、一気に125円に引き下げられることになり、さらに10年目以降は50円となります。また高い価格帯の豚肉に課せられていた4.3%の関税も10年後には撤廃されます。豚肉価格は低価格帯を中心に大幅な下落が予想されており、外食産業には大きなメリットとなるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/13(水) 4:34
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