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ネットだけが問題? どうしてテレビの“ステマ”が問題にならないの?

2015/10/13(火) 11:58配信

THE PAGE

 このところメディア業界ではステルス・マーケティングが大きな問題となっています。しかし、この問題に対する認識や対応は、メディアの種類によってかなり異なっているようです。

 ステルス・マーケティング(いわゆるステマ)とは、企業が消費者に宣伝であることを気付かれないようにして宣伝行為を行うことを指します。ステマには様々な形態がありますが、メディアが大きく関係するのは、記事と広告の扱いです。メディアの中には企業からお金を受け取っていながら、広告であることを表記せず、あたかも中立的な報道記事のように仕立てたコンテンツを掲載しているところがあります。利用者は広告であることを知らずに、その記事を読んでしまうという仕組みです。

紙媒体は比較的厳密なルールを設定

 従来の紙媒体は、このあたりに関して比較的厳密なルールを設けており、新聞や雑誌は、原則として紛らわしい広告は掲載しないことになっています。記事のようなスタイルで作られた広告は「記事体広告」と呼ばれますが、このようなコンテンツを掲載する場合には「広告」「PR」といった文字が入ります。読者は一目で広告であることが理解できるわけです。

 ネット媒体も基本的に紙媒体の延長として発展してきましたから、多くのメディアは、広告の表記を入れることをルールとして定めてきました。しかし一部の媒体は明確なルールを設定しておらず、あたかも記事のように広告を掲載しています。こうした行為はネットで問題視されるようになっており、多くのメディアが広告表記を行うという流れが出来上がりつつあります。

広告に関するルールがあいまいなテレビ

 一方、昔から広告に関するルールが明確に設定されていないメディアがあります。それはテレビです。企業が広告代理店などを通じてテレビ局にお金を払うと、自社の商品やサービスを取り上げてもらえることがあります(どの程度、それが可能なのかはケースバイケースと考えられます)。しかし、テレビの画面に「広告」と表示されることはありません。視聴者は、企業の広告を中立的なコンテンツであると誤解してしまう可能性があるわけです。

 テレビの場合、他の媒体と異なり「提供」という概念があり、スポットで入るCMとは別に、番組そのものにスポンサーとして出資してもらうということがひとつの制作形態として定着していました。こうした習慣があったことで、企業とのタイアップに抵抗が少なかったというのは事実でしょう。意識の高いスポンサーが番組を丸ごと支援することで、質の高い番組を維持できていたという側面があり、テレビの制作形態も一概に批判されるべきものではありません。

 「提供」という形であれば、スポンサーの名前が明記されますから、視聴者は番組にスポンサーの意向が働いていることを認識することができます。しかし、誰がお金を出しているのか分からない状態で、クライアントの宣伝を行うことは視聴者に誤解を与えてしまいます。こうした形でのタイアップには、やはり明確なルールが必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/14(日) 3:45
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