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「カーシェアリング」が流行るとスポーツカーが売れる?

2015/10/19(月) 18:00配信

THE PAGE

 トヨタが小型のFRスポーツカー「トヨタ S-FRを東京モーターショーに出品することを発表した。価格200万円以下と噂されるこのコンパクトなFRスポーツカーは、『86』で獲得することができなかった若年層スポーツカーユーザーにもう一度挑戦する最終兵器と目されている。

【写真】スポーツカーの「失われた10年」 ポスト・エコカーで復活なるか

 去年のダイハツ・コペン以来、マツダ・ロードスター、ホンダS660と各メーカーはスポーツカーづいており、発売カウントダウン(何度も延期されているが)のホンダNSXや、開発中との噂が流れるトヨタ・スープラ後継車など、一時は絶滅危惧種と思われたスポーツカーが復活の狼煙を上げている。

 何故いまスポーツカーなのか? 理由は沢山ある。2000年以降、国民車とも言える5ナンバーミニバンのマーケットがすでに飽和状態であること。ハイブリッドの普及も一回りしたこと。他にもいくつか理由があるのだろうが、そういう理由の1つに、筆者は「カーシェアリング」と自動運転の時代への対応の可能性を感じるのだ。

必要な時に必要な車種を借りられるカーシェアリング

 カーシェアリングという言葉はもうほとんどの人が知っているだろう。ビジネスとしては右肩上がりの絶好調。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の調査では、2015年3月の時点で車両ステーションは9451か所、車両台数1万6413台、会員数68万1147人に上り、その増加率はそれぞれ25%、33%、46%という具合である。

 現在カーシェアリングサービスを行っている会社は主に4社あり、規模の順に並べると「タイムズカープラス」「オリックスカーシェアリング」「カレコ」「アースカー」となっている。規模の順と書いたものの現実にはタイムズの一人勝ちに近く、ステーションの数でもクルマの台数でも会員数でも大差がついている。料金体系などは各社微妙に異なっており、利用の仕方によってどれが一概に良いとは言えないどんぐりの背比べなのだが、このサービスでは、仮にどんなにお得な設定をしても、使いたい時に使えなければ意味をなさない。なので、ストレートに利便性の差になるサービス拠点数の差が一番効いてくる。順当に考える限り、タイムズの会員数がますます増加する構造になっている。

 ご多聞に漏れず、筆者もタイムズカープラスの会員になっているが、目黒区の事務所から徒歩5分圏に4か所。10分圏なら10か所以上のステーションがある。

 使用に際しては、事前に登録してICチップ入りの会員カードを作らなければならないが、スマホやPCから24時間いつでも簡単に予約でき、予約後は車載読み取り機にカードをかざせばドアロックが開く。思いついた時すぐ使える上、レンタカーのような面倒な書類記入もないので本当に気楽で便利だ。

 料金プランはいくつかあるが、原則的には15分206円。ガソリン代と基本的な保険料も込みの値段だ。車種は軽自動車とBセグメントが多いが、プレミアム料金を払う気があれば輸入車やミニバンも選べる。こちらは15分412円。

 また6時間パックやナイトパックなどのセット料金もある。こちらはベーシックでもプレミアムでも同料金で6時間4020円、12時間6690円、午後6時から深夜零時のアーリーナイトパックが2060円、深夜零時から午前9時までのレイトナイトパックが2060円、午後6時から朝9時までのダブルナイトパックが2580円という具合である。ただしパックに関しては6時間パック以外は距離料金として別途1キロあたり16円が発生する。

 オプションの追加保険300円を加えて、100キロ程度ナイトドライブして4000円ほど。気晴らしのドライブにもちょうどいい。あるいは箱根あたりで試乗会がある時、筆者は小田原まで電車で行き、小田原からカーシェアリングで箱根に向かう。パーク&ライドの逆である。行き帰りが楽な上に、コストも節約できる。

 筆者の場合、今のところ月末に送られて来る請求書が3万円を超えたことはない。その高い利便性を考えると、地方在住で一人一台という状況ならいざ知らず、首都圏で近隣にステーションがある場所に住んでいるなら自前のクルマを維持する場合とランニングコストは雲泥の差だ。車検も保険も税金も消耗品も一切いらない。場所によるとは言え、23区内の月極駐車料金だけで3万円くらいが相場だろう。

 コストの件もさることながら、カーシェアリングのもう一つの美点は、必要な時だけ必要な種類のクルマを借りられることだ。大勢で出かける時はミニバンを借りればいいし、一人で用事を足すだけなら軽自動車でも十分だ。

 もちろんステーションや車両の数が増えているとは言え、現状ではある程度利用者が見込めるエリアが中心となる。前述の例で言えば試乗会場に近いからといって根府川や強羅で借りようと思ってもステーションがない。小田原のようなターミナル駅でないと借りられない。

 しかしステーションは今後利用者が増えればどんどん増えていくだろう。そういうエリアは地価が安いから、ステーションを設置するコストも高くはないのだ。カーシェアリングの面白いところは、たとえそのエリアに住民が少なくても、利用者がそこに行けば需要が発生するという点だ。例えば工業団地の最寄り駅などなら、居住者がほとんど居なくても、都内からの出張者が頻繁に利用する可能性があるし、観光地なら山中の駅でもタクシー代わりに利用するユーザーもいるはずなのだ。

 要するに安く簡単に、目的に適ったクルマがどこでも借りられる。一言で言えばクルマのオンデマンド化ということになるはずだ。

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最終更新:2016/1/27(水) 2:55
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