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ネット上の論争で注目。日本の貧困率16.1%、一人親世帯だと54.6%に

2015/10/28(水) 7:00配信

THE PAGE

 一人親世帯に対する支援策はどうあるべきなのか、ネット上でちょっとした論争となっています。NPO法人などが主催した児童扶養手当拡充を求めるキャンペーンの表現方法に異論が出たほか、橋下徹大阪市長が「注意して運用しないと逆差別につながる可能性がある」と指摘し、これに対して作家の乙武洋匡氏がツイッターで反論するなど、議論が活発になっています(橋下市長は、低所得者を支援することそのものには極めて前向きです)。支援強化を訴える人たちは、経済的に苦しい一人親世帯の状況はかなり切迫していると主張しているのですが、実態はどうなっているのでしょうか。

一人親支援プロジェクトで論争、弱者を救うのは“意識高い系”なのか?

極めて高い一人親世帯の貧困率

 厚生労働省がまとめた2013年の国民生活基礎調査によると、2012年における一人親世帯の貧困率は何と54.6%でした。全体の貧困率は16.1%ですから一人親世帯の貧困率が極めて高いことが分かります。OECDによる同様の調査では、日本の一人親世帯の貧困率はOECD加盟国の中で最悪となったこともあります。全体の貧困率の順位も下から6番目と非常に悪い数字ですが、一人親世帯に限定した場合、日本はOECD加盟国の中で、もっとも環境が劣悪な国のひとつです。

 日本は年々貧困率が上昇しており全体の貧困率は約30年で1.3倍に拡大しました。しかし、一人親世帯の貧困率は過去30年、ほとんど変わっていません。つまり、かなり以前から一人親世帯の貧困率が極めて高いという状態が続いてきたのです。

最大の原因は女性の労働市場か

 最大の原因は女性の労働市場環境にあると考えられます。日本は労働市場が十分に開放されておらず、女性の就労機会が制限されています。男性の非正規社員の割合は20%程度ですが、女性は50%超とかなり高い数字です。女性の平均的な月収は23万円と男性の約3分の2にとどまっているのですが、これは女性の多くが非正規社員であることと大きく関係しているとみてよいでしょう。離婚を期に就労した女性は非正規社員にならざるを得ず、その結果、十分な収入が確保できない状態になっていると考えられます。こうした状況に対しては、自己責任との声も聞かれますが、やむを得ず離婚に追い込まれた人に対してまで、自己責任を求めるのは少々無理があるでしょう。

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最終更新:2016/1/29(金) 4:15
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