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ようやく? クラウド本格普及を材料にMSとアマゾンの株高騰 米株式市場

2015/10/31(土) 7:00配信

THE PAGE

 米国の株式市場は四半期決算のシーズンを迎えていますが、これまでにはない動きが見られました。従来、クラウド銘柄とは見なされていなかった企業の株価がクラウドを材料に高騰しているのです。代表的なのはマイクロソフトとアマゾンでしょう。

 マイクロソフトはよく知られているように、基本ソフト(OS)であるウィンドウズや、業務用ソフトのオフィスを販売するパッケージ・ソフトの会社です。しかし同社は、昨年から急ピッチでクラウド・ビジネスへの転換を進めており、その成果が数字に反映されるようになってきました。

 22日に発表された同社の7~9月期の決算は、減収で利益は横ばいと見かけ上は冴えないものでした。しかし、翌日の株式市場で同社株は10%値を上げて取引をスタートしています。その理由は、同社のクラウド・サービスへの転換が順調に進んでいることを投資家が高く評価したからです。

 日本ではそれほどでもありませんが、米国を中心とする海外市場では、業務用ソフト「オフィス」のクラウド転換が急速に進んでおり、1800万人以上の個人利用者が「オフィス」のクラウド版である「オフィス365」を利用していることが明らかとなりました。クラウド・サービスは月額利用料金を徴収するビジネスモデルですので、次々と新製品を出して顧客に購入してもらうという販売手法は使えません。その代わり、流通コストなどを劇的に減らすことができますので、利用者数が多くなるほど儲かります。同社では、世界にあるパソコンのうち10億台を3年以内にウィンドウズ10に置き換える目標を掲げているのですが、もしこの目標が達成できた場合、同社は現状をはるかに上回る収益を上げることも可能となるわけです。

 アマゾンの決算は、同社が展開するクラウド・サービスであるAWSが業績に大きく貢献しました。AWSの売上高は前年同期比で1.8倍に拡大し、同社の営業利益の半分を稼ぎ出すまでになっています。日本でもユニクロを展開するファーストリテイリングが、自社の基幹システムを丸ごとAWSに移管すると表明するなど、大手企業のクラウド・シフトが進んでいるようです。

 近い将来、個人用であれ業務用であれ、アプリケーションのほとんどはクラウド上で動作するという状況になる可能性がますます高くなってきました。最近はどのような業種であれ、ITシステムとビジネスモデルの関係は不可分です。システムは一切自社で持たず、状況に応じてグローバルに利用するものという概念が定着すれば、ビジネスのあり方も大きく変わってくることになるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/14(日) 4:23
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