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「火星に液体の水」NASA発表の根拠は“塩”?

2015/10/31(土) 17:00配信

THE PAGE

 NASA(米航空宇宙局)が先月、「火星に液体の水がある(ということを示す水和した塩がある)強い証拠が見つかった」と発表したことが、宇宙研究者の間で注目されました。その発見のもとになったのは、火星の表面にある筋状の模様です。こうした研究は今に始まったことではなく、火星研究者の間ではこの数年間ずっと注目されてきました。火星には本当に「液体の水」があるのでしょうか?

【後編】「火星に水」があるならどんな生物が生存できる?

「拍子抜け」だった? 発表の内容

 NASAは先月27日、「重大発表をします!乞うご期待!」とアナウンスしました。そして、その翌日の28日に、「火星に液体の水がある(ということを示す水和した塩がある)強い証拠が見つかった」と発表しました。ここでいう「塩(えん)」とは、酸とアルカリの中和反応などでできるイオン化合物のこと。そして、「水和」とは塩などに水が付加していることをいいます。

 NASAの発表を「大ニュース」と受け止めた方が多かったようですが、「どんなすごい発表があるのだろう」と楽しみにしていた私にとっては拍子抜けのニュースでした。

 というのも、今回の発表の中でたびたび出てくる「繰り返し現れる筋状の模様(RSL)」は、2011年にすでに発見されていたものであり、惑星科学の専攻だった私は 大学院でこれについての研究を少ししていたからです。「何を今さら」とは思いつつ、久しぶりにこの言葉を聞いて心が躍ったので、今回の発表のポイントについて解説します。

「繰り返し現れる筋状の模様」(RSL)とは?

 まず「繰り返し現れる筋状の模様(RSL)」とは何か、についてです。

 上の写真は火星のクレーターの縁の斜面を写したものですが、黒い線のようなもの(RSL)がたくさん見られます。RSLとは

Recurring(季節ごとに繰り返す)
Slope(斜面の)
Lineae(線)

 つまり「春から秋の暖かい季節に現れ、冬になると消えるのを繰り返す、クレーターの縁などの斜面に現れる黒い線のようなもの」のことです。幅は5メートルより短く、長さは長いもので100 ~ 200メートルほどもあります。

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最終更新:2016/2/3(水) 3:57
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