ここから本文です

愛知で高校生+プロの本格演劇 高校生演劇の魅力とは

2015/11/3(火) 10:16配信

THE PAGE

愛知で高校生+プロの本格演劇 高校生演劇の魅力とは THEPAGE愛知 音楽:むんむ

 オーディションで選ばれた現役高校生16人が、プロの演出家たちと取り組む演劇公演「赤鬼」が11月7日から2日間、愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場PLAT(プラット)で行われる。全員高校生の出演者をプロのスタッフがサポートし、観客からチケット代金をもらう本格的な演劇の取り組みは、県内では珍しく、注目を集めている。公演を前にして稽古に熱が入る出演者や関係者に、公演への思いや、取り組みの魅力を聞いた。

【街ぶら動画】妹尾和夫が主宰 劇団パロディフライこだわりの稽古潜入

「赤鬼」は劇作家の野田秀樹氏の作品

 この取り組みは、芸術文化の発展を地域活性化につなげようと、同劇場が2014年度から始めた。初年度は「穂の国の転校生」(作=平田オリザ、演出=広田淳一)を3日間で全5回上演し、述べ831人が見に訪れた。

 本年度の「赤鬼」は、劇作家の野田秀樹氏の作品で、閉鎖的な集落に部外者の“赤鬼”がやってきて事件が起きるという物語。ダンスのような身体表現や、出演者自ら道具を使って音を出す効果音の演出、衣装パーツ製作など、高校生による表現の可能性を探る。出演は、豊橋市を中心とした愛知県東三河地方の高校生16(女子14、男子2)人。

 主役級の「あの女」役に起用された白井風菜さん(17)は「練習でも常に初演という意識で、単なる練習の繰り返しにならないようにしている」と、演技に磨きをかける。今回プロのスタッフから学んだことについては「自分の演技で共演者に影響を与えて共鳴しあって、空間を創りあげていくこと。その響きがお客さんにも伝わればうれしい」と意気込み、夢である舞台女優に向けて先を見据えた。

高校生らしさを演劇に生かしたい

 高校で演劇部に所属する野元結水さん(16)は「物語やせりふの意味など、普段の部活より、何百倍も深く考えるようになった」と新しい学びを得たことに喜ぶ。「他の出演者を見ていると、自分から積極的に発言や行動する人が多かったので、自分もするようにした」と、自分の成長にもつながったという。

 高校生と創り上げる本格的な演劇は「初めて」という、演出担当の黒澤世莉さん(39)は「大人にはない生命力が、高校生にはある」と高校生演劇の魅力を語る。

 黒澤さんは、東京を拠点に活動する劇団「時間堂」の主宰で、新国立劇場演劇研修所などで指導者としても活躍する。本公演の指導では、「特別な高校生扱いせず」に、出演者と密にコミュニケーションを図ることに重点を置く。

 「大人は、失敗しても人前ではほとんど泣かない。だけど、高校生はうまく演じられないと言ってその場で泣く。悔しい気持ちが純粋に出てくるからで、そういうイノセンス(無邪気、天真らんまんさ)みたいな高校生らしさを演劇に生かしたい。大人はそのサポートに徹する」と、力を込めた。

1/2ページ

最終更新:2015/11/3(火) 10:18
THE PAGE