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米雇用統計が絶好調で高まる利上げ観測、今後の景気は?

2015/11/10(火) 7:00配信

THE PAGE

 10月の米雇用統計が予想を大幅に上回る良好な結果となったことから、市場は一気に利上げモードに突入しました。世界経済はこれからどうなるのでしょうか。また日本にはどんな影響があるのでしょうか。

米雇用統計は予想を大幅に上回る

 米労働省は6日、10月の雇用統計を発表しました。非農業部門の雇用者数は前月比で27万1000人増となり、市場予想を大幅に上回りました。米国では雇用者数の増加が20万人を超えると好景気と見なされます。今回は30万人近い増加ですから、米国経済が力強く成長していることを印象付ける結果となりました。もっとも10月は年末商戦を控えており雇用が増加しやすい環境にあります。一部の専門家は結果についてあまり過大評価しない方がよいと指摘していますが、市場はそうは捉えていないようです。

 米国はすでに、中央銀行が市場に大量のマネーを供給する量的緩和策を終了しており、政策金利を引き上げる段階に入っています。このまま緩和した状態を続けていると、景気の過熱やインフレが発生する可能性があるからです。一方、せっかく経済が良くなってきたのに、金利を引き上げてしまうと、景気の腰を折ってしまう可能性もあります。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、世界経済に対する不透明感が高まっていることから、9月と10月には利上げを見送りました。

一気に高まる利上げ観測

 しかし今回の雇用統計が良好だったことから、市場では12月に利上げが実施されるとの観測が一気に高まっています。利上げを先取りする形で長期金利が急上昇し、為替相場は1ドル=123円を突破しました。以前は利上げの実施によって株価が下落するとの懸念がありましたが、8月の中国ショックで株価は大幅に下落しており、すでに割高感は消滅しています。このまま12月に利上げが実施された場合でも、株価が下落するリスクは少なくなったと考えた方がよいでしょう。

 利上げが実施されるということは、今後も米国経済が良好に推移するということを意味しています。日本の製造業は基本的に米国市場に依存していますから、米国の景気が拡大するということになれば、企業業績も拡大し、株価も上昇するはずです。中国経済がさらに失速するといった非常事態が発生しない限り、米国の利上げは世界経済全体にとってプラスの影響となる可能性が高そうです。

 利上げとなれば円安に振れやすくなりますから、これも輸出企業の業績を後押しすることになるでしょう。しかし、円安が進むと輸入物価がさらに上がってしまいます。輸出産業の恩恵を受けない人にとっては、生活が苦しくなるという弊害が出てくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/11(月) 2:46
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